"iratsume" ->> Nihongo ->> 「分野別」エッセイ ->> 灼熱天国 カリブ通信 2B-1

赴任して9ヶ月目からはじめたこの連載も、たいしてエピソードを紹介できないうちに、すでに赴任19ヶ月目に突入してしまいました。残りの任期はあと半年弱…
これも当地にすっかり溶け込んでスローでいい加減なペースが身に付いてしまったからなのでしょうか?

とにもかくにも尻切れトンボ気味に終わった前回のエピソードに収拾をつけましょう。

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さて、前回までで見てきたように、豊富な見知らぬ人への呼称によってさまざまな呼びかけを経験できるドミニカ共和国での生活。肌の色や身体的特徴など呼びかけの呼称を見るだけで、呼びかけられた人物の性別や特徴まで分かってしまう。

これまでにもちゃまごに対して見知らぬ人から呼びかけられる呼称をいくつか紹介してきたが、実はもっと特徴的で頻繁に使われる呼びかけがある。それは国籍を用いた呼びかけだ。
国籍とは、例えば「日本人」とか「アメリカ合衆国人」とか「ドミニカ共和国人」とかそういう出身国をあらわすものなのであるが。

ちゃまごは日本国籍なので当地の人々の認識がグローバル化されていれば「ハポネサ(日本人女性)!」(あるいは「ハポネス(日本人男性)」)と呼びかけられずはずである。
しかし、街を歩いていて見知らぬ人から呼びかけられる第一声が「ハポネサ」であることはあり得ない。実際に何と呼びかけられるかと言えば「チナ(中国人女性)!」(あるいは「チノ(中国人男性)」)である。

これはちゃまごに限らない。ちゃまごが中国人ぽい顔つきをしているからでもない。

例えば、当地において街の中を、「東洋系の顔つきをした人物」が歩いているとしよう。その人物が「中国人」なのか「日本人」なのか「台湾人」なのか「韓国人」なのか、当地の人々の中には区別というものが存在しないのだ。彼らにとっては、「東洋系の顔つき」=「中国人」が絶対完全認識である。


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Text by Chamago
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    04.02.04
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