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"iratsume" ->> Nihongo ->> 「分野別」エッセイ ->> 灼熱天国 カリブ通信 2-1
こんにちわ。先日、半年に一度の健康診断があり、病気も感染症も、寄生虫も見つかることなく健康な身体を維持していることが分かり、「丈夫な身体よのぅ」と我ながら感心しているところです。こちらでの生活で体調を崩すと日本にいる時よりしんどくなりますからね、なんとかこのまま維持したいものです。 さて、今回から「見知らぬ人への呼称」についての話を連載形式でお届けいたしよう と思います。 タイトルは、「え?そんな呼びかけってアリなの?」 仕事でも私生活でも、見知らぬ人に向かって呼びかけるとき、あるいは誰かを呼び止めるとき、あるいは誰かの注意を引いて何かを伝えようとする機会というのはけっこうあるものだ。例えば、通りすがりの人がバッグから何かを落とした、例えばバスの運転手さんに下りる場所を伝える、例えばレストランでウエイターを呼ぶ、例えば人に道を尋ねる…などなど。 日本語の場合、そういうときに一番よく見られるのが「すみません」「ちょっといいですか?」「あの…」というような尋ねた相手が誰なのかを全く明らかにしない呼びかけの仕方だと思う。これは、その場に不特定多数の人間がいた場合、まるで「そう!アナタ!アナタよ!私が話しかけているのは!」的に目的人物に念を送ることとその場の雰囲気とで、かろうじて相手にその呼びかけが伝わっているのではないか。こういった場合、会話の字面だけを見ると、話しかけられた相手はただ偶然その場にいあわせた「ただの人」であり、性別も身体的特徴も何も伝わっては来ない。そんなこと当たり前じゃないか、といわれればその通りなのだがそうじゃない呼びかけ文化圏に身を置くと、自分が呼びかけられるのにどんな言葉を使われたかで、相手が自分をどう見ているかはっきりと分かってしまうということに気づく。 私がそんな呼びかけをはじめて経験したのは、1年間ほど滞在していたマレーシアの首都にあるホテルだった。マレーシアでは、現地語と英語の両方が公用語とされていたが、英語が通じるのは首都ぐらいなもので、普段現地村人との田舎生活に慣れ親しんでいた自分は、ホテルのドアボーイやフロントが「Good morning, Sir!」と挨拶してくれた時、自分が完全に男として相手に認識されていることを知って「あぁやっぱり…」と思ったものだ。私の名前は日本人が見れば「女」の名前だと誰でも分かるが外国人には名前だけで性別判断をすることは難しい。したがって、こっちが何にも申告しないと、私の容姿を見た上でレセプションカードにしっかりと「Mr.○○○○○ (私の本名)」と書かれてしまう。 これが、「どうやら日本とそれ以外の国では呼びかけ事情がちょっと違うらしい」と気づいた最初の経験です。 本日はここまで。次回へ続きます。 ->> つづき エピソード 2-2 Text by Chamago 13.09.03 14.09.03(差替) Copyright © 2002-2008 "iratsume." All Rights Reserved. |