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"iratsume" ->> Nihongo ->> 「分野別」FLA・いらつめ活動報告　essays/activism ->> 　三本柱はフェミ・レズ・アート―いらつめ発足に関するノート (2) by mike

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2000年の終わりにオカマ大で有名な京都精華大の入学許可がおり、新しい土地、新しい出会いでレズビアンとして生きていこうと女性学の授業で出会った女子たちと"Speak OUT"というフライヤーをつくり自分自身で配っていた。内容はオナニーや月経、セックス、セクシュアリティ、ジェンダーに関するつぶやき。そうこうしている内に訪れた同じ年の12月にジャニスと出会えたのは偶然ではなく必然の出会いとして私は感じている。

『フェミニズムとレズビアン・アートの会』というそれまでに見た事も聞いた事もない、でも非常に明快なテーマを掲げて現れたジャニスは私にとって最も出会いたかった人の一人だ。今までプライベートでしか聞いた事がないような事を、ジャニスは集まったみんなの前で脳内垂れ流し状態でべらべらと口にしていた。

ちなみにこのときの『フェミニズムとレズビアン・アートの会』オーガナイザー、サミィとは友人。いらつめのライターでもあるので要チェックです。サミィは当時 ACDCchildren! や Noisy Fish というクィアミックスの活動をしていた時期なので、他にも印象的な人々が来ていた。『フェミニズムとレズビアン・アートの会』なんてタイトルを見て集まる人たちはそれなりにクセもアクも強い人たちだったと思う。

ジャニスと出会い、『フェミニズムとレズビアン・アートの会』に顔を出すようになって分かったのは、ジャニスが思い描くようなローカルなアート系ワークショップをしていくには日本のレズビアン存在はクローゼットで遠かった。1地元に1コミュニティはありでしょう、というジャニスの思惑は育たず参加者ははるばる遠くからぽつりぽつりとやってきた。

いらつめがレズビアン・ウェブマガジンとして発足した当初はレズビアン・アーティストのネットワークとプロファイリングを目的としていたが、そう簡単に人は集まらず、ネットワークも思うようには広がらなかった。誰もが安心して使える基盤としての居場所の提供も維持も明かりを消さないためのスレスレの所でつなげてきていたと思う。レズビアンという側面での自己肯定感の低さ、自立した女としての社会的自己実現のしにくさは、私自身の問題としてもそう簡単に乗り越えられるものではなかったし、今でもそうだ。

そもそもレズビアン・アイデンティティをサポートする情報が足りてないから足下さえおぼつかないのだ。レズビアン・ライフスタイルのサポートという幅広い意味でフェミニズムとレズビアン・アートを捉えてまずは情報発信を充実させようと言い出したのは私自身のためだったと思う。しかし、レズビアン・アーティストのプロファイリングとコレクティブの夢と野心はいつでもいらつめの基盤として、ある。

生き方のどこかしらにマイノリティ性を持っている人は、自分の本音な関心や興味がおもしろいもの、問題を醸し出すものとして他の人の目に映らず、無関心さや反応の悪さに居心地が悪くなった上に「あなたの説明の仕方が悪くてよくわからない」と判断される状況に陥ったことが間々あるのではないだろうか。

いつかあなたが長い間腐心してきたことが「それは問題だ」「それはおもしろい／つまらない」として論議されるようになるには世の中に身近な情報量として堆積する必要があると私は考える。

今読んでいる「レズビアン・アートの歴史（"Lesbian Art in America: A Contemporary History"）」の中でハモンド（Harmony Hammond）がアメリカの70年代の歴史として書いていることが、私にとってはまだまだ現実問題として山積みなことに途方に暮れそうになるが、『いらつめ』や『フェミニズムとレズビアン・アートの会』が、どのレズビアン・アート活動もが通る通過儀礼としての歴史を通り抜けつつあるのかも知れないという希望を感じさせるものでもあることは確かだ。時間は時計通りの時間として流れるものではない。駆け抜けることもできるのだから。

mike

ライタープロフィール

<<参考URL>>

フェミニズムとレズビアン・アートの会 (FLA) 日本語
http://selfishprotein.net/cherryj/indexj.shtml
読書会他、FLAの活動についての最新情報を確認できます。

2001年12月　話した内容のまとめ（英語）by Janis
http://selfishprotein.net/cherryj/2001/seika.htm

Harmony Hammond "Lesbian Art in America: A Contemporary History" 紹介記事 (Janis) 03.06

ACDCchildren!
http://www.geocities.com/kyoto_acdcchildren/