"iratsume" ->> Nihongo ->> 「分野別」essays ->> エッセイ スウェーデンのゲイ事情 (4) by mike

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ジョー曰く、ストックホルムが近づくにつれ、私の vodafone に電波が入るようになってからというもの、携帯に心を奪われていて、まったくジョーや母親への気遣いがなく、時と場合を考えずにいじっていたという事だった。内容をいちいち説明していなかったから、全部彼女とのラブコールに時間を費やしていたように思われていたらしい。
心が上の空だったのは確かなのでその点はきっちり謝り、仕事や、日本に帰国した後すぐに泊まりにくる予定の友人からとかどうしても必要な部分もあったんだよと言い訳も聞いてもらう。ゲイの私がワクワクしたりヘコんだりしてる気持ちを聞いてくれる相手が海の向こうにしかいなかったし…とも愚痴り。

ジョーは個人主義の国の人と思いきや「私はみんなでいる時に別行動をしたいとはっきり言ったあなたをうらやましいと思ったけどやっぱり傷ついた。でも私もそうできるようになりたいとも思った」「若い世代の子がみんな携帯でコミュニケーションを取ってるのは知ってるけれど、理解できないジェネレーションギャップがある」と不満を伝えてくれた。
お互いに「ごめんね、大好きだよ」とハグをしてからおやすなさいを言ってとりあえずこの場は乗り切れた。

目の前にいる人を大事に時間を過ごさなきゃいけないのは分かってるつもりでも、心がすれ違ってばかりではお互いに不満が残る。そのストレスを「ここにいる私は本当の私ではない」と考えをすり替えるで、脳内で現実逃避をしながら遠くの友人や恋人と連絡を取って心のバランスを取ろうとした事は確かだ。

違いを認め、不満を口に出しても、どうすればお互い気持ちのいい時間が持てるのか?

いきあたりばったりばかりでは衝突か現実逃避が多くなるばかりだ。どうせ興味もってもらえないから、と途中から諦めて携帯で誰と何を話していたのかを全く話題にするのを止めた時あたりから不信感を持たれ始めた気はする。いちいち話題にしても話題にしなくても不愉快というのは困った反応だと思いません?
バカンス中に仕事の連絡が入って来るのはおかしいというジョー。カマ話はまったく不愉快な母親。

今度また細かい利害関係が合致する訳ではない人たちと長く時間を過ごすなら、やりたい事を事前に情報交換した上で、乗れる点と乗れない点をはっきりさせて一緒を楽しむ時間、別行動を楽しむ時間、切りよくサヨナラ、またねを言えるタイミングを探さないとなと思った。

なんとなく仲良くできそうだから、なんとなく一緒にいて楽しいかも、そしてなんとなく脳内で現実逃避なんて、どこかにそんな器用な人はいるかも知れないけど、私にとってはストレスだという事がよく分かった。

次はもうちょっとスマートな旅をしよう。そう思ったスウェーデン旅行でした。

mike
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    30.10.05
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