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"iratsume" ->> Nihongo ->> 「分野別」essays ->> エッセイ　スウェーデンのゲイ事情 (2) by mike

<< はじめから（1） <<

知り合いの誰が結婚したとか、知り合いの友人に赤ちゃんができたとかは楽しい話題になるのに、私のゲイカルチャーの話やできたての彼女の話は3人の共通の関心事にはなりそうもなかった。
旅も後半になり、すっかり諦めモードだったので、街角にレインボーフラッグを見つけても、見てみぬフリをして通り過ぎようと思っていた矢先、母親が「こんなお店でお茶してみたい」と言うのではないの！

ちょうどその時ドアサイドに立っていたのは、黒の短髪、ノーメイク、ノーブラ、無地の草色のTシャツにベージュのギャルソンタイプのエプロンがとても似合っているダイキーな中華系の人。むちゃくちゃタイプ。
少しだけでもおしゃべりがしてみたい衝動にかられた。

「旅行者で初めてなんですけど、ここはミックスですか？連れの2人はヘテロセクシュアルなんですけど…」と尋ねてみる。
「あなた日本人？ここは誰でもウェルカム。どうぞどうぞ」答えてくれて、おいでおいでと同行者2人を呼ぶ。

もうさんざん徒歩で観光とショッピングをして疲れていて、座ってお茶をする場所を探していた所だったし、母親の「こんなお店でお茶してみたい」をいう言葉ですっかり許可をもらったつもりでいた。そして、店内に座って注文が済んでほっとしてから「ここゲイレストランなんだ、世界中レインボーフラッグが目印なの」と伝えた。
とたんに、目の前の2人がフリーズ。タイミングよく頼んだジュースがテーブルに置かれた。そのジュースにはストローが2本添えてある。それを見て、隣同士に座っていたヘテロの母親とヘテロのジョーが店員にカップルじゃないかと間違われたんじゃないかと想像して顔をしかめ、気分が悪くなったと話す。
細いストローだから2本添えてあるだけだよぉぉ～　想像通りの使い方したって間違いじゃないし。

私にとって居心地のいい場所は彼女たちにとって居心地のいい場所ではないかもしれない。その逆もあるってことを想像してもらえないの？？私だってあまり関心がない話題でも観光地でもそれなりに興味持つ用にして会話見つけてるんだよ？
その時の私は「あなた達と一緒な事が私にとってはストレスだ」と喉元まで出かかっていた。

気分直しに私は席を立ち、さっきの素敵なダイキーな中華系のスタッフに声をかけ、他にもゲイスポットってある？ナイトパーティーとか色々情報欲しいんだと聞くと、いいものがあるわよと "Welcome to Gay Stockholm!" とゲイマップをもらった。[外部リンク：PDF;5.88MB]
レズビアンバーはある？と聞くと、ストックホルムはほとんどがミックスで特に住み分けはされていないとのこと。でも Roxy なら女の子が多めかも、と教えてくれる。

ゲイマップの地図のカテゴリーは以下の通り。もう 10th Edition にもなるという立派なもの。スェーデン語ではなく英語案内なのでご安心下さい。

"Welcome to Gay Stockholm!"

PARTY
EAT & DRINK
CAFE
SHOPPING
SUPPORT
HOTEL & SERVICE
EROS
GAY BEACHES
CULTURE
GROUPS

情報を手に入れた私は、ちょっと位はチェックしたいという気持ちでいっぱいになっていた。ゲイマップを手に入れた日は金曜だったので、ホテルを抜け出してナイトクラブに遊びに行ってみたいのが本音だったけど、コミュニケーションがとれていないままに1人で遊びに出たら、3人の旅行をダメにしてしまうのは私だという気がしたので自粛した。

忘れて来た『北欧案内』の代わりにゲイマップを手に街を歩く事は、母親は騙しながら連れ歩けても、ドイツ人の友人は騙せまい。そう思って次の日は別行動を提案。夕飯は一緒にしようと約束をした。

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mike

ライタープロフィール

<<参考情報>>

Welcome to Gay Stockholm!
http://www.qx.se/pdf/QXGayMap2005.pdf
5.88MB、PDF形式のファイルです。回線状況によっては大変重いので注意。Macの場合はリンクを選択した状態でしばらく待っていると出てくる「ディスクに保存」を使って、Windowsの場合は右クリックで「対象をファイルに保存」して、オフラインでゆっくり見るのがいいかもしれません。
提供しているのは、スカンジナビア最大規模のゲイ・レズビアン無料雑誌（フリーペーパー）という、QX.se のウェブサイトです。英語ページはここ。