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フェミニズムとレズビアン・アートの会
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2014/12/6追記:このイベントは終了しています。
当日配布した資料はこちら(一部修正・加筆等しています)[PDF]。


ワークショップ 「ガザと映画祭とパレードと」その2

― イスラエルに抗議してボイコットするとする.
  対するはモノなのか、人なのか.
  この運動は〈私たち〉の表現と自由を奪う検閲なのか. ―

■ 日時:2014年12月1日月曜日
  夜7時30分から9時まで
■ 場所:community center akta [http://www.akta.jp/]
  東京都新宿区新宿2-15-13第二中江ビル301
  地下鉄新宿三丁目駅・新宿御苑駅から徒歩5分くらい、JR新宿駅から徒歩10-15分
■ その他:申込み予約不要。資料コピー代実費 (100円以内) がかかります。

■ ワークショップ内容と企画した経緯:
2014年10月4日に、2014年6月から8月にかけて開催したサラ・シュルマン読書会の報告と、東京のプライド・イベントや映画祭がイスラエル政府機関の援助を受けてきたことについて考えるワークショップを開きました。

今回はその後の状況についての情報を共有し、イスラエル政府による占領やガザ地区の封鎖や一般市民が多数殺された攻撃をはじめとした「人種隔離政策」に対抗するためのパレスチナ連帯運動の一環であるBDS運動の広がりと、イスラエル大使館と東京国際レズビアン&ゲイ映画祭や東京レインボープライドの関係について、また東京のLGBT関連の運動や活動を支持し参加することについてなど、引き続き考えます。

今回取り上げる内容は3つあります。ひとつめは、パレスチナ/イスラエルに関するニュースとその背景について。その後のガザや西岸地区やエルサレムで、またイスラエル政府内の動きについて、いま何が起こっているかを一緒に確認します。

ふたつめは、前回のワークショップでも紹介したBDS (ボイコット/資金引き上げ/制裁) 運動について学びます。

みっつめは、先日東京国際レズビアン&ゲイ映画祭東京レインボープライドのウェブサイト経由でお問合せをした内容について、それぞれ東京国際レズビアン&ゲイ映画祭運営委員会代表の方東京レインボープライド代表の方からいただいた回答を、BDS運動の考え方や現状と照らし合わせる形で、検討します。

特にあとの2つに直接かかわるBDS運動は、イスラエル政府による占領と人種差別政策に対する国際的な非暴力抵抗運動の戦略ですが、たとえばボイコットといっても国際法違反でもある、占領地での経済活動 (例えばソーダストリーム社の企業活動) や、何十年と続く占領政策や非戦闘員に対する不均衡としかいいようのない徹底的な攻撃を支えている軍需産業に対しての抗議運動だけにとどまりません。BDS運動の理念にはまたパレスチナ難民の帰還の権利を支持することが含まれています。

BDS運動は、イスラエル政府によるある種の分かりやすい暴力的な営みと同時進行で、かつそうした営みを継続するのには欠かせないものとして、一見すると非政治的に見えるかもしれない「文化」や「学術」の面にも注目します。「アラブ」「イスラム」イコール「パレスチナ」と比べ、まるで欧米と同じかそれ以上に、「自由」で「多様」な活動がイスラエルという国に存在し、それらの活動に対して政府が「寛容」であると対外的にイスラエル政府自身が宣伝している点や、イスラエル政府がそうした「文化」や「学術」を支えることで政治的にそうした活動を利用している点を明らかに指し示し、問題化する運動でもあります。そしてこのBDS運動は、同時多発的に、非暴力の、国際的なパレスチナ連帯運動として広がっています。

2014年夏以降特に2000人以上の犠牲者のほとんどが一般市民であったガザ地区へのイスラエル軍による攻撃などがきっかけになり、各地でイスラエル大使館からの支援を受けていたり、イスラエル政府からの支援を受けている学術機関がかかわる、文化やアートや学術系のイベントに対して、ボイコットの呼びかけがいままでよりも盛んになされたり、イベント等の主催者側がイスラエルによる直近のガザ攻撃について何らかの声明を発表したり内容の変更を迫られたりしています。その一方で圧倒的な米国の支援を受けているイスラエル政府に対抗するには、現時点ではBDSのもたらす効果以上にその運動や戦略の問題を指摘する声や、運動の限界を強調する懐疑的な意見もあります。

今回のワークショップでは、夏の読書会で取り上げたサラ・シュルマンの著書が書かれるきっかけにもなったBDS運動についてもう少し詳しく学び、東京でのLGBT関連の運動や活動の連続としての東京国際レズビアン&ゲイ映画祭や東京レインボープライドについて、どういう要望をこの場に集まったそれぞれの参加者や支持者が持っているのかをできるだけ明らかにしたいと思います。また関係者の意図にかかわらず、どういう「政治」や「思惑」や「効果」がその運動や活動に伴っているのか、またそうした運動や活動の参加者や、何らかの形でそうした運動や活動を支持する人たちと、そうした運動や活動の主催者と、そうした運動や活動の資金提供者は誰で、どんな風に私たちは重なっていて、私たちの間にどういった交渉が可能なのかなど、考え議論するきっかけの一つにしたいと思います。


参考 (Democracy Now!の動画を中心にあげました) :
・ 2005年9月5日付 パレスチナの171団体が署名した「ボイコットと資本の引き揚げ、制裁措置に向けた呼びかけ文」の翻訳
http://palestine-heiwa.org/doc/20050709_badil_rc_al-majdal.html
(前回ワークショップで共有した情報です。BDS運動の動機と基本的なスタンスについて。)

・ 2010年3月4日付 イスラエルに対するボイコットは有効か? (Democracy Now!の番組から:動画は英語音声、スクリプトあり、日本語字幕:23分) http://democracynow.jp/video/20100304-2
(イスラエルに対しては批判的だけれどもBDS運動について懐疑的な意見を述べる人と、BDS運動立ち上げにかかわった人の討論)

・ 2009年9月14日付 「占領を祝うな!」トロント映画祭のテルアビブ特集に文化人らが抗議 (Democracy Now!の番組から:動画は英語音声、スクリプトあり、日本語字幕:20分)
http://democracynow.jp/video/20090914-1
(カナダでのイスラエルによる対外的文化政策に対しての抗議運動について。ナオミ・クラインのインタビュー。)

・ 2014年7月28日付 【EXPRESS】イラン・パペ:イスラエルは2014年にアパルトヘイト国家の道を選んだ (Democracy Now!の番組から:ビデオは英語音声、日本語字幕:8分)
http://democracynow.jp/video/20140728-3
(今夏のガザ攻撃の背景についてと、国際的な世論の変化について日本語の解説あり)

・ 2014年8月7、8日付 ガザについてチョムスキーのインタビュー (Democracy Now!の番組から:動画は英語音声:リンクは書き起こしの翻訳)
http://www.tup-bulletin.org/?p=1705
http://www.tup-bulletin.org/?p=2674
(BDS運動について、状況の解説と戦略としての限界についての考え)

・ 2014年10月4日 前回ワークショップのページ。こちらからTILGFFとTRPに送った質問内容もあります。
http://selfishprotein.net/cherryj/2014/TokyoIsraelPalestine.html
(前回のワークショップで配布した資料はこちら (一部修正・追記しています) [PDF]。
(他にBDSとノーム・チョムスキーの意見をまとめた資料等使用しました。)

・ 雑誌『現代思想』2014年11月号 (青土社)
(この号の特集「戦争の正体―虐殺のポリティカルエコノミー」でパレスチナ/イスラエルに関連する討議や現地からの最新のブログ記事などの翻訳が収められています。)


最も新しい情報はウェブサイトで確認できます。
[http://selfishprotein.net/cherryj/indexj.shtml] (日本語)

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