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フェミニズムとレズビアン・アートの会
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ワークショップ 「ガザと映画祭とパレードと」
2014/11/12追記:東京レインボープライドからの回答 (2014/11/12付)をページの最後に追記しました。
2014/10/27追記:東京国際レズビアン&ゲイ映画祭からの回答 (2014/10/20付)を追記しました。
2014/10/5追記:このイベントは終了しています。
当日配布した資料はこちら(一部修正・追記しています)[PDF]。
他にBDSとノーム・チョムスキーの意見をまとめた資料等使用しました。

■ 日時:2014年10月4日土曜日
  夜7時30分から9時まで
■ 場所:community center akta [http://www.akta.jp/]
  東京都新宿区新宿2-15-13第二中江ビル301
  地下鉄新宿三丁目駅・新宿御苑駅から徒歩5分くらい、JR新宿駅から徒歩10-15分
■ その他:申込み予約不要。資料コピー代実費(100円以内)がかかります。

■ ワークショップ内容と企画した経緯:
2014年6月から8月にかけて開催したサラ・シュルマン読書会の報告と、東京のプライド・イベントや映画祭がイスラエル政府機関の援助を受けてきたことについて考える会です。

この夏のイスラエルによるガザ攻撃では2000人を超える人たちが殺されました。こうした「戦争」に北米や欧州のLGBTイベントがどんな風にかかわっているのかを知り、東京にいる人たちがこの件にかかわらざるを得ない状況を考えます。

2014年9月29日付でJanis個人から東京レインボープライド東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のウェブサイト経由でそれぞれお問合せをしています。こちらから送った内容はこのページの下にも貼り付けてあります。(2014/11/12追記:東京レインボープライドからの回答 / 2014/10/20追記:東京国際レズビアン&ゲイ映画祭からの回答)
4日の会には来られないけれども今回のトピックに関連して参加者とシェアしてほしいという情報(本とかウェブサイトとかブログ記事とか何かしらの活動とか映画上映情報とか)がありましたら、教えていただけると大変ありがたいです。

またサラ・シュルマン読書会について、紹介されている文献が読みたいけど手に入らないといった場合は、気軽にご連絡ください。

送ったメッセージの内容:
-----東京レインボープライド宛ここから-----
Janisといいます。

東京レインボープライドでは、二年続けてブース出展や当日パンフの広告掲載を引き換えにイスラエル大使館から資金的な援助を受けていらっしゃると思いますが、それに関して質問があります。(すみません、長いです。)

はじめに今回ご連絡した経緯をご説明します。この6月から8月にイスラエル政府によるゲイ・イベントへの出資などによる対外的な文化政策についての勉強会を新宿のaktaでしました。ちなみに勉強会はこういった内容でした。http://selfishprotein.net/cherryj/2014/Schulman.html

勉強会の背景を少し書きますと、つい最近これは勉強会の企画時には想定していなかったのですが、7月から8月にかけてイスラエル軍によるガザへの激しい攻撃がありました。同地区ではごく短期間に戦闘員ではない市民を含め2200人以上が殺されています。一般家屋をはじめビーチで遊んでいた子どもや宗教施設、病院、救急車やジャーナリストの車両、避難所になっていた学校にまで爆撃があったことなどから国際法違反であるとイスラエル政府は非難されています。(被害状況はこちらのまとめが分かりやすいです。http://matome.naver.jp/odai/2140494894563492301

また同地区が2006年以来住民の自由な往来が制限されているほか頻繁な停電などインフラも整っておらず住民が厳しい生活を強いられていることや、パレスチナ人の住居を奪う形で作られる入植地の拡大など、建国以来イスラエル政府がパレスチナ人の人権を著しく奪ってきたことはこれまでから国際的に批判されてきました。

こういった状況で今回のガザ攻撃があったために、国際的な世論は今までよりもイスラエル政府に批判的になっています。イスラエル政府のこうしたパレスチナ人たちへの決して寛容とはいえない政策は南アフリカのアパルトヘイトにたとえられることもあり(人によってはそれよりひどいといいます)、日本でも他国でもイスラエル製品のボイコット運動などの抗議運動が行われているほどです。例 http://d.hatena.ne.jp/stop-sodastream/

こうした状況にもかかわらず、イスラエルが国内外でプライド・イベントやLGBT映画祭への支援などを通し、同国が「(中東の他の国とは異なって)近代的で民主的でLGBTに寛容な国家」で、たとえばテルアビブが「LGBT向けの観光地として最適である」といった宣伝をしていることは、あまりにもひどい偽善ではないかという批判があります。これはイスラム教(徒)やイスラム諸国に対するステレオタイプを利用した「ピンクウォッシング」であると批判されていて、「ピンクウォッシング」のキーワードで検索すると日本語でもイスラエル政府に批判的な記事や文章が出てきます。ただ日本社会では一般にはイスラエル/パレスチナ間の問題について情報が十分には届いていなかったり、いわゆる宗教紛争と誤解されていたり、「ピンクウォッシング」という批判の具体的な内容についてあまり知られていない実感があったので、上記の勉強会を企画しました。

勉強会を経て、東京でのプライド・イベントや映画祭等でイスラエル政府からの援助を受けることが今後あるのであれば、そうしたイベントの主催者の方からあらためて説明していただけないかと思った次第です。

質問は4つあります。

1) 各国大使館や企業や団体の支援を受けるにあたって、東京レインボープライド主催の方の間で、何か基準はありますでしょうか。たとえばこういう政策がされている国の大使館に特に声をかけるようにしているだとか、相手から申し出があれば基本的には来るもの拒まずという形でお願いしているとか、こういう場合には支援を断るつもりでいるだとか、基本方針になる基準についてすでに決めていらっしゃるものがあれば教えてください。

2) 2014年度について収支報告をまもなくされると思いますが、もし可能であれば各大使館からの出資状況を詳しく公開していただけないでしょうか。特にイスラエル大使館からの援助金額を教えてください。もしくは開示されている料金通りであれば(見落としてしまっているかもしれないので)、具体的にどの種類の支援をイスラエル大使館もしくはイスラエル政府系組織から受けてきたのかを教えていただけますでしょうか。

3) 今後、東京レインボープライドではイスラエル大使館から支援を受けられそうであれば引き続きスポンサーになってもらおうと今のところお考えでしょうか。

4) 質問3に関連して、今後その判断が覆ることがあるとすればそれはどういった場合でしょうか。

お忙しいとは存じますがお返事いただけますようお願いします。
一度に全部お答えいただくのが難しければ、一部の質問のみに対する回答を先にいただく形でも結構です。

なおこちらの問合せ内容についてはウェブサイトで公開しています。
http://selfishprotein.net/cherryj/indexj.shtml

よろしくお願いいたします。
Janis
-----東京レインボープライド宛ここまで-----

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-----東京国際レズビアン&ゲイ映画祭宛ここから-----
Janisといいます。

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭では、イスラエル大使館から資金的な援助を受けていらっしゃると思いますが、それに関して質問があります。(すみません、長いです。)

はじめに今回ご連絡した経緯をご説明します。この6月から8月にイスラエル政府によるゲイ・イベントへの出資などによる対外的な文化政策についての勉強会を新宿のaktaでしました。ちなみに勉強会はこういった内容でした。http://selfishprotein.net/cherryj/2014/Schulman.html

勉強会の背景を少し書きますと、つい最近これは勉強会の企画時には想定していなかったのですが、7月から8月にかけてイスラエル軍によるガザへの激しい攻撃がありました。同地区ではごく短期間に戦闘員ではない市民を含め2200人以上が殺されています。一般家屋をはじめビーチで遊んでいた子どもや宗教施設、病院、救急車やジャーナリストの車両、避難所になっていた学校にまで爆撃があったことなどから国際法違反であるとイスラエル政府は非難されています。(被害状況はこちらのまとめが分かりやすいです。http://matome.naver.jp/odai/2140494894563492301

また同地区が2006年以来住民の自由な往来が制限されているほか頻繁な停電などインフラも整っておらず住民が厳しい生活を強いられていることや、パレスチナ人の住居を奪う形で作られる入植地の拡大など、建国以来イスラエル政府がパレスチナ人の人権を著しく奪ってきたことはこれまでから国際的に批判されてきました。

こういった状況で今回のガザ攻撃があったために、国際的な世論は今までよりもイスラエル政府に批判的になっています。イスラエル政府のこうしたパレスチナ人たちへの決して寛容とはいえない政策は南アフリカのアパルトヘイトにたとえられることもあり(人によってはそれよりひどいといいます)、日本でも他国でもイスラエル製品のボイコット運動などの抗議運動が行われているほどです。例 http://d.hatena.ne.jp/stop-sodastream/

こうした状況にもかかわらず、イスラエルが国内外でプライド・イベントやLGBT映画祭への支援などを通し、同国が「(中東の他の国とは異なって)近代的で民主的でLGBTに寛容な国家」で、たとえばテルアビブが「LGBT向けの観光地として最適である」といった宣伝をしていることは、あまりにもひどい偽善ではないかという批判があります。これはイスラム教(徒)やイスラム諸国に対する偏見を利用した「ピンクウォッシング」であると批判されていて、「ピンクウォッシング」のキーワードで検索すると日本語でもイスラエル政府に批判的な記事や文章が出てきます。ただ日本社会では一般にはイスラエル/パレスチナ間の問題について情報が十分には届いていなかったり、いわゆる宗教紛争と誤解されていたり、「ピンクウォッシング」という批判の具体的な内容についてあまり知られていない実感があったので、上記の勉強会を企画しました。

勉強会を経て、東京でのプライド・イベントや映画祭等でイスラエル政府からの援助を受けることが今後あるのであれば、そうしたイベントの主催者の方からあらためて説明していただけないかと思った次第です。

質問は5つあります。

1) 各国大使館や企業や団体の支援を受けるにあたって、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭運営にかかわっていらっしゃる方の間で、何か基準はありますでしょうか。たとえばこういう政策がされている国の大使館に特に声をかけるようにしているだとか、相手から申し出があれば基本的には来るもの拒まずという形でお願いしているとか、こういう場合には支援を断るつもりでいるだとか、すでに決めていらっしゃる基本方針があれば教えてください。

2) 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭ではこれまでに第何回(もしくは何年度開催の回)の映画祭についてイスラエル大使館もしくはイスラエル国営企業(航空会社など)からの後援を受けていらっしゃいますか。

3) 直近の2014年度について全体の予算(収支規模)と特にイスラエル政府機関からの援助金額を教えてください。その際どの大きさの広告をどのメディアに掲載するといった具体的な条件も合わせて教えていただけるとありがたいです。

4) 今後、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭ではイスラエル大使館から支援を受けられそうであれば引き続きスポンサーになってもらおうと今のところお考えでしょうか。

5) 質問4に関連して、今後その判断が覆ることがあるとすればそれはどういった場合でしょうか。

お忙しいとは存じますがお返事いただけますようお願いします。
一度に全部お答えいただくのが難しければ、一部の質問のみに対する回答を先にいただく形でも結構です。

なおこちらの問合せ内容についてはウェブサイトで公開しています。
http://selfishprotein.net/cherryj/indexj.shtml

よろしくお願いいたします。
Janis
-----東京国際レズビアン&ゲイ映画祭宛ここまで-----

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-----東京国際レズビアン&ゲイ映画祭からの回答 (2014/10/20付) ここから-----
Subject: 【ご返答】イスラエル政府機関からの支援について@TILGFF

Janis様
夜分失礼いたします。
東京国際レズビアン&ゲイ映画祭運営委員会です。

ご返答が遅くなり申し訳ございません。
お問い合わせいただきましたご質問につきまして
運営委員会内で討議させていただきましたので下記にご返答させていただきます。


1) 各国大使館や企業や団体の支援を受けるにあたって、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭運営にかかわっていらっしゃる方の間で、何か基準はありますでしょうか。たとえばこういう政策がされている国の大使館に特に声をかけるようにしているだとか、相手から申し出があれば基本的には来るもの拒まずという形でお願いしているとか、こういう場合には支援を断るつもりでいるだとか、すでに決めていらっしゃる基本方針があれば教えてください。

→ 大使館に関しては、基準は特に設けていません。また、政策についても考慮していません。 あくまで、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のスタッフの中で、この作品は上映にふさわしい、と考え、上映交渉に成功したものについて、上映をしており、その際に、たまたまそれがオランダ映画ならオランダ大使館に、イギリス映画ならイギリス大使館(もしくはブリティッシュ・カウンシル)といった具合に後援名義を取得しています。
なお、当映画祭では、基本的に上映作品の製作国の大使館にはすべて名義後援を申請しています。名義後援の目的は、当該国の文化を紹介するイベントとして大使館の公認を得ることであり、金銭的なサポートを得ることではありません。多くの国の大使館HPの名義後援申請ページでは、「金銭的なサポートはできない」という旨は明記されています。
金銭的なサポートがある場合は、主に当該国のゲスト(監督・プロデューサー・俳優)に対して、来日費用(航空券・宿泊費)がサポートされるという形が多いです。


2) 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭ではこれまでに第何回(もしくは何年度開催の回)の映画祭についてイスラエル大使館もしくはイスラエル国営企業(航空会社など)からの後援を受けていらっしゃいますか。

→ 恐れ入りますが、過去の後援実績については下記URLよりアーカイブをご参照ください、第7回以前に関してはアーカイブが存在しないため、ご容赦ください。
アーカイブ: http://tokyo-lgff.org/2014/about/archive


3) 直近の2014年度について全体の予算(収支規模)と特にイスラエル政府機関からの援助金額を教えてください。その際どの大きさの広告をどのメディアに掲載するといった具体的なスポンサーシップの内容も合わせて教えていただけるとありがたいです。

→ 全体の予算は公表しておりませんが、約1,000万円規模で映画祭を運営しています。イスラエル政府機関からの支援は、2014年の映画祭に対しては0円でした。
2013年は、「アウト・イン・ザ・ダーク」上映に際して、監督の来日費用として資金援助を受けました。ただし、選定した作品は政治的に中立的なものであり、またアフタートークでも映画祭としては中立性を保っていく姿勢を大使館には伝えた上で、援助を受けました。


4) 今後、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭ではイスラエル大使館から支援を受けられそうであれば引き続きスポンサーになってもらおうと今のところお考えでしょうか。

→ 当映画祭では、映画祭全体に対して大使館の支援をいただくということはありません。当該国の作品があった時にはじめて後援名義申請をするということをしています。
また、私たちは、作品選定にあたっては、あくまで世界の文化を紹介することが国際映画祭の役割であると考えています。そのため、特定の国や地域に対してスポンサーになってもらうところから考え始めることはありません。さらに言えば、一方的に「反対」「賛成」と表明するというよりはむしろ、議論を生んだり、対話を続けることが、社会運動体ではなく、優れた作品を選び上映する、ということにこだわっている私たちの立場の持つ役割のように思います(その点で私たちの活動はまだまだ成長してゆかなくてはならないと感じています)。


5) 質問4に関連して、今後その判断が覆ることがあるとすればそれはどういった場合でしょうか。

→ 今後も世界の文化を紹介することが国際映画祭の役割であると考え、さまざまな国の映画を上映し、後援名義申請をすると思います。ただし、イスラエル関連の近年の情勢には大きく憂慮すべき点があるとは感じています。ご指摘のようななんらかの政治的意図を持って資金援助をしようとする動きに対して、
今後の対応についてはスタッフ間でも議論を続けたいと考えています。

よろしくお願い致します。
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東京国際レズビアン&ゲイ映画祭運営委員会
代表 宮沢 英樹
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-----東京国際レズビアン&ゲイ映画祭からの回答 (2014/10/20付) ここまで-----
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-----東京レインボープライドからの回答 (2014/11/12付) ここから-----
Subject: Re: 東京レインボープライドへの問い合わせ

Janisさま

大変遅くなってしまいましたが、
以下、質問への回答です。

 「東京レインボープライド」では、現在のところ、明文化された「出展の基準」というものを特に定めてはいませんが、大原則は、「LGBTフレンドリーであること」だと考えています。企業であれ、大使館であれ、各種団体・サークルであれ、それが第一です。そして、もっと言えば、過去3回、プライドパレードを主催してきましたが、これまでは、この原則が唯一であったともいえるかもしれません。この原則を満たしていれば、基本的に、「来るもの拒まず」で対応してきたのが正直なところです。

 しかしながら、お陰さまで、「東京レインボープライド」もこの3年で動員数が倍増し、協賛企業や大使館、出展ブース数も右肩上がりとなり、さらに来年は土曜・日曜の2日間開催を予定しており、と、イベントの規模がますます大きくなっていくことが予想されます。そのような状況のなかで、今後に向け、何らかの「出展基準」の必要性は感じています。

 続いて、各国大使館の出資状況ですが、ブースを出展してくださった大使館は、ブース代として「1ユニット=3万円」をそれぞれ支払っていただいています。加えて、イスラエル大使館は「タブロイド判ガイド」への1/4広告(5万円)の出稿があります。大使館からの協賛は、以上です(※イベント当日に配布した「タブロイド判ガイド」をご参照ください)。

 そして今後ですが、2015年に向けての協賛募集はまだ開始しておらず、イスラエル大使館から協賛を受けるかどうかは現在のところ未定ですが、「出展の基準」についてはこれから、速やかに検討に入っていければと考えています。「出展の基準」が定まりましたら、公式サイト等で公表させていただきます。

 以上、ご質問に対する回答となります。

 回答が遅くなってしまったことをご容赦いただき、引き続き、東京レインボープライドへのご支援・ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。

東京レインボープライド
代表 山縣真矢
-----東京レインボープライドからの回答 (2014/11/12付) ここまで-----


最も新しい情報はウェブサイトで確認できます。
[http://selfishprotein.net/cherryj/indexj.shtml] (日本語)

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