ツイート

フェミニズムとレズビアン・アートの会
日本語ホーム
Israel/Palestine and the Queer International 表紙

フェミニズム/レズビアン・スタディーズ/クィア・スタディーズの本を読む勉強会
Reading Sarah Schulman "Israel/Palestine and the Queer International"(2012)

サラ・シュルマン「イスラエル/パレスチナとクイア・インターナショナル」読書会
―イスラエルによるパレスチナ占領とプライドイベント支援の政治について批判的に考えるために



■ 日時:2014年6月20日(金)、28日(土)、
  7月4日(金)、12日(土)、18日(金)、26日(土)、
  8月1日(金)、9日(土)、16日(土)、23日(土)、29日(金) 全11回
  (週によって曜日が違うので注意してください)
  夜7時30分から9時まで
  ※ 読書会とは別で7月5日(土)夜に非公開の関連映画を見る会を企画しています(場所等詳細は読書会のときに話します)。
■ 場所:community center akta [http://www.akta.jp/]
  東京都新宿区新宿2-15-13第二中江ビル301
  地下鉄新宿三丁目駅・新宿御苑駅から徒歩5分くらい、JR新宿駅から徒歩10-15分
■ 費用:資料代 (コピー代実費1回あたり200円程度)
■ 定員:各回10人まで。先着順。

■ テキストと進め方:
この読書会では2012年に発表されたSarah Schulman (サラ・シュルマン) の "Israel/Palestine and the Queer International"を読みます。

読書会の初めの3回 (6/20、28、7/4) はこの本を読む準備としてイスラエルによるパレスチナの占領政策と国際的なプロパガンダに対する批判について日本語の文章をいくつか読み、この本が書かれた背景を学びます(初回はこちら [link to PDF]。詳細はこのページの下の方にあるスケジュールを参照)。

メインテキストの本は著者であるSchulmanがイスラエルの大学から現地のLGBTのための講演を依頼されたところから始まります。彼女はイスラエルの政策に対する抗議としてボイコット運動が行われていること知って講演依頼を断り、別の形でパレスチナ/イスラエルへの旅を決めます。そして現地のLGBTQがおかれている状況や、イスラエル国外でのLGBTの活動支援を通したイスラエル政府のプロパガンダ戦略、イスラエルによるパレスチナ占領政策に反対する国際的な連帯運動に参加していくことについてなど、改めて知識を得て考えを深め行動を起こしていくという内容です。全体を通して彼女自身の生い立ちや経験をベースに時系列で書かれていて英語としてはそれほど難しくありません。

Sarah Schulmanは1958年生まれ、ニューヨーク出身のユダヤ系アメリカ人レズビアンの作家で大学教授。長くAIDSアクティビズムに関わっており、最近日本語字幕版が完成し各地で上映されている映画『UNITED IN ANGER −ACT UPの歴史−』の共同プロデューサーでもあります。著作のうち『ドロレスじゃないと』が日本語に翻訳されているようです。

読書会は毎回最初の30分程度は内容を確認し、残りの時間で気がついたところや思いついたことをシェアします。
こちらで簡単な日本語の概略を用意しますが、テキストはできる範囲でちょっとでも予習してくるとより楽しいですよ。
ディスカッションはたぶん日本語。英語力は全く問いません。

■ この読書会をする理由:
最近ではソーダストリームの販売ストップ・キャンペーン [link] もあり、イスラエルによるパレスチナの占領統治に対する抗議運動はよく知られていると思います。イスラエルは、パレスチナの侵略・占領とそれにまつわる政策を厳しく批判されてもいるのですが、一方で国際的に映画祭やパレードといったLGBTイベントを支援していて、イスラエル政府自身が自由で民主的な国家で、中東地域随一のゲイ・フレンドリーな場所であると宣伝しています。

東京でも東京レインボープライドにイスラエル大使館のブースが出展しており、レインボーウィークの公式パンフレットにはテルアビブが「LGBT」の旅行先として宣伝されています。

今回の読書会では、まずそういったプロパガンダがどんな文脈で現れ、どんな議論を起こしているのかを学びたいと思います。そして個別の歴史的背景を持った人権侵害に抵抗する人々とワタシが連帯して行動するならばどういう形で可能なのか、また個々の歴史的な背景を持った暴力に対して不正義や人権侵害という言葉を使うとしてそれらの言葉を使った抗議が実質的に無効化されないための方法がどういうものになるのかを探したいと思います。

■ 備考:参加にあたっては前日夜7時までにJanisまで連絡をください。
・キャンセルの場合、直前でも連絡していただけると助かります。
・一部の回のみの参加も可能です。
・「見学」 (沈黙) というのはなしです。
(実際は会場の都合で、覗き見&立ち聞きできます。お気軽にどうぞ。)
・性別・性自認・性指向・国籍・学歴など不問。
・分からないこと、不安な点があればメールください。

■ 参加希望される方は次の項目についてお一人ずつメールで教えてください。
メールアドレスは janis_cherry(at)selfishprotein.net
----- (参加希望メール内容ここから) ------
・ なまえ (法律上でも通称でもかまいません。メールのやりとりのためのなまえ)
・ パソコンのメールアドレス
・ あれば携帯電話のメールアドレスまたは番号 (当日連絡用)
・ 参加希望日 (今のところの参加予定;全回来られそうですか?)
6/20 (金)、28 (土)、7/4 (金)、12 (土)、18 (金)、26 (土)、
8/1 (金)、9 (土)、16 (土)、23 (土)、29 (金)
・ この読書会のことをどうやって知りましたか?
・ 本は持っていますか? 購入する/図書館で借りる予定等はありますか?
(参加前にテキストが手に入らない場合は相談してください。)
・ 何か要望などあればどうぞ。
----- (参加希望メール内容ここまで) ------



Tentative Schedule (as of June 22, 2014)
  Date Title  
1 Fri 6/20 川坂 和義. 2013.「アメリカ化されるLGBTの人権:「ゲイの権利は人権である」演説と〈進歩〉というナラティブ」『ジェンダー&セクシュアリティ』第8号、2013年3月、Journal of the Center for Gender Studies, ICU [link to PDF] イスラエルの「ピンクウォッシュイング (Pinkwashing)」に言及されています。インターネットやパソコンの環境によって直接ページを開こうとすると固まってしまう場合は、左のリンクを右クリックして「別名で保存」するか、Adobe Acrobat Reader等のソフトを立ち上げてからリンク先のアドレスをコピー&ペーストして「開く」とスムーズにファイルを開くことができるかもしれません。
    WHO? Magazine 東京レインボーウィーク2014年のパンフレット 20−23ページ。イスラエル大使館は東京レインボープライドのスポンサーです。このパンフレットにもイスラエルについてのページがあるのでディスカッションの手がかりにします。
    エドワード W. サイード (著), 中野真紀子 (訳), 早尾貴紀 (訳). 2002. 『戦争とプロパガンダ』. みすず書房. 特に初めの3編「プロパガンダと戦争」、「集団的熱狂」、「反発と是正」を、Schulmanのおかれている、パレスチナ/イスラエルに関連する、911以後の米国の政治的な背景を知るために読みます。初回ではサイードの文章について話す時間は限られていると思いますが、読書会の第3回7月4日(金)のディスカッションの際に直接の手がかりになると思います。
2 Sat 6/28 サラ・ロイ (著), 岡 真理 (編訳), 小田切 拓 (編訳), 早尾 貴紀 (編訳). 2009. 『ホロコーストからガザへ:パレスチナの政治経済学』. 青土社. ディスカッションは特に「Part 2 第2章 〈新しい普遍性〉を求めて ポスト・ホロコースト世代とポスト・コロニアル世代の対話  サラ・ロイ × 徐京植」について話します。
■ サラ・ロイの分析記事の一つはnofrillsさんのブログで翻訳が公開されています。以前の翻訳記事にもリンクがはられているので、もし未読でしたらぜひ。["Deprivation in Gaza Strip" By Sara Roy (July 19, 2014) Translated by nofrills]
3 Fri 7/4 臼杵 陽. 2013. 『世界史の中のパレスチナ問題』. 講談社現代新書 2189. 同じ著者によるネットメディア上の文章もあります [イスラエル・パレスチナ問題Q&A (2013/12/18)]。本はボリュームがあるので少し大変ですが、初回に紹介したサイードのテキストと合わせて、特に2001年の9.11以降の今の米国やその同盟国の状況につながる歴史的な背景を学ぶためのテキストとして紹介します。
    WHO? Magazine 東京レインボーウィーク2014年のパンフレット 20−23ページ。イスラエル大使館は東京レインボープライドのスポンサーです。このパンフレットにもイスラエルについてのページがあるのでディスカッションの手がかりにします。
- Sat 7/5 Film screening (CLOSED; TBA) (参考)広河 隆一(著). 2002. 『パレスチナ 新版』. 岩波新書 新赤版 784.
4 Sat 7/12 Sarah Schulman. 2012. "Israel/Palestine and the Queer International." (Duke University Press). Introduction: Before 1
5 Fri 7/18 Part I. Solidarity Visit  
1. Awareness 23
6 Sat 7/26 2. Preparation: Learning from Cinema 40
3. Maps 48
7 Fri 8/1 4. The Jewish Embrace 58  
5. Solidarity Visit 67
8 Sat 8/9 6. Palestine 77  
7. Finding the Strategy 86
9 Sat 8/16 Part II. Al-U.S. Tour  
8. Homonationalism 103
10 Sat 8/23 9. Amreeka 133
11 Fri 8/29 10. Backlash 156  
11. Understanding 172  
Conclusion: There Is No Conclusion 175



最も新しい情報はウェブサイトで確認できます。
[http://selfishprotein.net/cherryj/indexj.shtml] (日本語)


Copyright 2001-2014 Janis CHERRY All rights reserved.