"iratsume" ->> Nihongo ->> 「分野別」エッセイ ->> カワイイコニハマタタビヲハカセヨ ->> イギリスのゲイ事情 (1) by サミィ


日が暮れるのがどんどん早くなっていく。1日が短い気がする。12月に入って、私はなんとかこっちの生活に馴染んできた。最初はこそこそとゲイ番組を探していたけれど、クラブに行ったのをきっかけに家でもオープンになって、ゲイカップルがTVに出ていたりすると、呼んでくれるくらいになった。

それにしても、イギリスで、ゲイやレズビアンの人がTVに出ることなんて、全然珍しくない。未成年でもどんどんTVの前でカムアウトしている。そういえば、私が姉のパートナーにカムアウトした時だって、全然驚いてなかったどころか、「ボクもゲイクラブに行ったことあるよー」「○○っていうところは、行ったことある?」とか色々教えてくれて姉が「本当はゲイなんじゃないの?」なんて怪しむくらい。でも、こっちではこんな田舎でもゲイの友だちとクラブに行ったりするのなんて特別じゃないみたい。

姉の家に住んでいるおかげで、他の学校の友人よりも現地の生活を体験できる。それでもって食事は毎日ポテトを食わされたりしないし(語学学校で話すホームスティ先の話題はほぼ全員それ)、門限もないし、日本で暮らしているときより窮屈じゃない。

勿論良いことばっかりじゃないけど。くだらない夫婦げんかに巻き込まれたことなんて何度もあるし、居候の身だから気を遣うこともたくさんある。一番の問題点はイギリス人の友人ができないことだった。姉の旦那はイギリス人だけど、夜勤の仕事をしているので、殆ど顔を合わさない。私も社交性に欠けるが、向こうはもっと欠けているので更に話さない。

そんなわけで再び私は、レズビアン雑誌を開いて、近くの街のゲイコミュニティを探し始めた。クラブでは楽しかったけれど、友だちになるには何度も通わなくてはならないし、私の英語力では少し厳しい。

月に2回しかやってないレインボウ・カフェになんとか行く決心を固めたのに、そんな日に限ってクラスメイトのTから遊びに誘われる。
「ごめん、今日は街に行こうと思ってて」
「私も一緒に行ってもいい?」
「実はゲイコミュニティのイベントに行くから、多分Tちゃんが行っても面白くないと思うんだよねぇ」
「そんなことないよ、私もそういうイベント行ってみたいと思ってたんだー」

Tは日本人で、唯一の学校の中の日本人の友人だが、いつもオトコと金の話しばっかりでヘテヘテっぽいことをする人だった。あっけらかんと「愛はお金で買える!」とか言う人だったので、そういうところはスキだなぁと思ってたのだが、なんとなく深入りしたくないなぁという思いがあった。そして次に彼女が発した一言
「私、よくわからないんだけど、オンナノコと経験したことあるんだよね」
によって半ば強引に一緒に行くことになった。だけど、場所がわからない!街の人に尋ねてもわからない。うろうろ何時間もさまよって…見つからず諦めた。

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Text by Sammy
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    25.09.05
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