"iratsume" ->> Nihongo ->> 「分野別」からだ ->> やってやろうじゃないの セイファー・セックス (1)
I never ask anybody, "Are you positive or negative?" It ruins the moment, it's not important, it doesn't matter, it interferes with the privacy of another person, and then it gives you totally nothing, absolutely zero. ... Just put a condom on.
- Gay porn star Michael Lucas to The Advocate in the Aug. 17 2004 issue
「キミは陽性?陰性?」なんてボクは誰にも聞かない。そんなんじゃ雰囲気を台無しにしてしまう。そんなことは大事なことじゃないんだ。問題じゃないんだよ。そんな質問をすることは他人のプライバシーへの干渉だし、そんなこと聞いても自分は何にも得られない。完全にゼロってこと。…要は、コンドームつけるってこと。
これはゲイ&レズビアン雑誌の The Advocate 先月17日号で掲載されたゲイポルノスターの Michael Lucas インタビューの一部。PlanetOut から LGBT 関連ニュースメールが送られてくるサービス(無料)で先日引用紹介されていたものを見つけたのですが、このコメント、かっこよくない?

ゲイ・コミュニティでは特に1980年代、AIDS による多数の死者を出しました。1996年までに合州国では AIDS のためにゲイやバイセクシュアル男性が250,000人(レズビアンは8000人)亡くなっています(Hogan & Hudson ed. "The gay and lesbian encyclopedia." 1998.)。 けれども感染すれば必ず死んじゃうと昔は思われていた病気が実は発症率が意外と低くて、感染力も例えば冬に大流行するインフルエンザよりずいぶん弱いことが後に分かりました。軽いキスで次々とうつるなんてえらい誤解があったのに、コンドーム一つで予防できるなんて!

HIV/AIDS に関しては、近年少なくとも世界では豊かな人たちの発症率が下がり感染後も長く「健康な」状態で生きていることが分かって、以前ほどの危機感はなくなっていますが、同時に薬に耐性のあるタイプの HIV(ウィルス)が新たに発見されてもいるのです。
ウィルスや細菌はヒトと比べればとても速く進化します。知られている感染症の病原ウィルスが変化していくのと同時に、今はまだ知られていない感染症にこの先悩まされることもあるでしょう。
命に関わることがあってもなくても、自分が病気をうつしたりうつされたりするのを何かしらの方法で予防したいのなら、「より安全な」セックスするのは「より危険な」セックスするよりいいと思う。(※ここでの「危険」は特に性感染症に感染する・させる確率の高さのこと)

けれどもゲイ・コミュニティに限らず、一般的なマスコミや性教育で取り上げられる「より安全な」セックスでは、まずコンドーム、といわれるのですけれど…コンドームをつけるペニスは、私がセックスするときには見当たらないのでした。だからといって女とセックスする女が性感染症にかからないわけないし、ま、とりあえずペニスはなくてもコンドームは有用ですが。(関連記事:包んで、くるんで、WRAP UP!! ―女性間性感染症予防のリーフレット紹介―(runrun)06.04

そんな訳で私の膣を含めた自分自身のからだにとって、歯磨きするときに歯磨き粉を使うくらい、フツーに「より安全な」セックスすることについて、何回かにわけて書いてみようと思います。

* * *

「病気」のこと、感染予防のこともう少し。

複数の条件が組み合わさって具合は悪くなるのですが、病気の首謀者とにらまれている病原体なるものは身体の免疫機能にやっつけられて壊滅したり、ほそぼそと生き延びたり、免疫に打ち勝って大増殖したりします。そのとき適当に保たれているはずのバランスがどこかしら崩れると「病気」になります。
病原体の中には、宿主から外へ出て、他のひとに住処を移動していくものもいます。これが感染症の原因となるウィルスなど。もちろん病原体が新しい宿主に引っ越していくからには、そのための経路があります。

経路に障害物を置いておけば、病原体はその道を通れませんから、感染しません。病原体の行く道を邪魔しつつセックスそのものはやってしまうのが件のセイファー・セックスです。

障害物には、ラテックス(ゴム)をはじめ、ポリエーテルポリウレタン(ポリウレタン)や食品用ラップなどの水を通さない薄いフィルムやシート状の素材を使います。こういった障害物が、(病原体が含まれている可能性のある)体液がセックス・パートナーに移動するのを防ぐバリアになります。

けれどもどんなに工夫しても「セイフ(安全な)・セックス」とはいえません(以前は safe sex という言葉が使われることもあった)。「より安全な」とはいえても絶対「安全な」セックスすることはできない。結局のところ、ある方法が他のやり方と比べて感染する確率が(たぶん)高い/低い、としか言えないのです。(何となく科学読み物化してないか?大丈夫?)

Translation and text by Janis Cherry
  • ライタープロフィール






    << 関連記事&参考URL >>
  • 包んで、くるんで、WRAP UP!! ―女性間性感染症予防のリーフレット紹介―(runrun)06.04
    http://selfishprotein.net/lesart/jap/2004/040608a.shtml

     
     
    * 日本のHIV/AIDS感染者支援他、関連の市民団体
  • HIVと人権・情報センター(JHC)
    http://www.npo-jhc.com/

    レズビアンのための相談電話専用回線が設けられています。
     
  • ぷれいす東京
    http://www.ptokyo.com/

     
  • LIFE AIDS PROJECT「HIV感染者・エイズ患者への社会的支援活動を行っている非営利団体、ライフ・エイズ・プロジェクト(LAP)のホームページ」から
  • 『薬害エイズを勉強しました』
    http://www.campus.ne.jp/~lap/lap1/lap2/nlback/nl04/nl04yaku.html

     
    * 保健所や検査施設の検索
  • HIV検査・相談マップ
    http://www.hivkensa.com/index.html

     
    * 各国・地域の状況/健康医療格差など
  • UNAIDS: The Joint United Nations Programme on HIV/AIDS (国連エイズ合同計画・英語他)
    http://www.unaids.org/

     
     
    06.09.04
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