"iratsume" ->> Nihongo ->> 「分野別」レビュー ->> 本 Feminism is for EVERYBODY

feminism_is_for_everybody_coverFeminism is for everybody: passionate politics
bell hooks (著)
U.S. 定価: $12.00
円相当額: ¥1,399
amazon.co.jp 価格:¥1,259
ペーパーバック
出版社: Consortium Book Sales & Dist ; ISBN: 0896086283 ; (10/2000)

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フェミニズムはみんなのもの―情熱の政治学 ウイメンズブックス (2-1)
ベル フックス (著), bell hooks (原著), 堀田 碧 (翻訳)
価格:¥1,600
出版社: 新水社 ; ISBN: 4883850501 ; (04/2003)

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フェミニズムって何?と聞かれることが結構ある。
この質問、適当に答えるのが、難しい。

いい加減なこと言えないし、私自身知らないことが結構あるし、フェミニズムと呼ばれているものの範囲は広いけど今現在の自分が興味あるものは限られている。
うーん、どうやって答えます?
下手に答えたら、フェミニズムアレルギーを悪化させるかもしれないでしょう?フェミニストはみんな男嫌いで、レズビアンなんだーって(少なくともアメリカだと)なってたりするからねえ。

そんなときに、ほら、これ、フェミニズムって何か、分かりやすく書いてあるから、読んでみるといいよ、と言える本が欲しくて bell hooks 自ら書いてしまったという本書。
日本語翻訳が早速出ているのも、納得できるな。だって、こういう本を、みんな待っていたんですもの。

本文中にも著者は、コドモのためのフェミニスト的本の執筆など、啓発教育活動をもっとやっていきたいと書いている。この人の視点は、内省で終わらず、常に外へ外へと、向いている。だからこの本はフェミニズムを誤解している人や、自分はフェミニストなんかじゃないと信じている人、若い人にこそ読んで欲しい。

この本は、女性解放運動の歴史もさらっと語っていて、最初に Conscious Raising (CR) と呼ばれる、初期の(第二波)フェミニズムの運動で女性たちが個人的に集まって個人的な気づきを共有し始めたことの重要性を説いている。

若い人が何も知らないなんて昔からのフェミニストたちは嘆くかもしれないけれど、いやいや、若い人だって CR が必要よ。それに、若い人が何も知らないのは、それまでのフェミニストたちの教育がまだまだだったってことだから、若い人の責任じゃないのよ。と若者にやさしく自分たちに厳しい。私たちもこういう大人になっていかなきゃね。(おいおい、もう大人だろ)

下に載せた、Contents 目次を見てもらうと、第15章だけ不定冠詞の a(n) がついている。これは、フェミニズム入門書として書くのが一番難しかったということではないかしら。これはと信じられる、自分の中でさえ断定できることが少なすぎるから。
bell hooks の筆も、それまではちゃきちゃき語ってきたのが、ここにきて途端に怪しい。そして、この章で語られている、いわゆる Sex War が、それまでのフェミニズム運動を失速させてしまったらしい。
私には、なんだか、この章が、本書の中でも特に気になって仕方がない。

アフリカ系女性でマイノリティではあるが、世界の中では豊かな国の人で、ストレートの彼女がどうしても抱えている限界や、Sexual Politics にまつわる迷いも垣間見える。文句のつけようならいくらでもあるだろうけれど、私はこの本にエンパワーされましたよ。

私たちが目指すものはなんだったんだろう。本がくれるのはきっかけにすぎないかもしれない。けれども、そのきっかけがなければ考え動くことはない。だから、そんなきっかけを与えてくれる文章や教育の力をもっと信じたい。これって、アートにも通じるよね。


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<<お知らせ>>

"Feminism is for everybody" by bell hooks をテキストに、2003年9月から東京都内で勉強+ディスカッションの集まりをしています。
原著の英語レベルは高校生くらいから始まります。一部慣れていないと難しいところがあるけれど、全部で123ページ、各章が6ページ程度と短いので、英語でも読破できるのではないかしら。日本語訳と交互に見てもいいしね。

一章毎に読み合わせていって、全20回。一部の回のみの参加もできます。
詳細は FLA のミーティング情報サイトでお知らせ中。http://selfishprotein.net/cherryj/indexj.shtml
メールでも気軽にお問い合わせください。

->> 読書会については、こちらでも経過を報告しています。<<-


Contact to: Janis Cherry [ janis_cherry(at)selfishprotein.net ]

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::: CONTENTS :::
INTRODUCTION
― Come Closer to Feminism
1. FEMINIST POLITICS
― Where We Stand
2. CONSCIOUSNESS-RAISING
― A Constant Change of Heart
3. SISTERHOOD IS STILL POWERFULL
4. FEMINIST EDUCATION FOR CRITICAL CONSCIOUSNESS
5. OUR BODIES, OURSELVES
― Reproductive Rights
6. BEAUTY WITHIN AND WITHOUT
7. FEMINIST CLASS STRUGGLE
8. GLOBAL FEMINISM
9. WOMEN AT WORK
10. RACE AND GENDER
11. ENDING VIOLENCE
12. FEMINIST MASCULINITY
13. FEMINIST PARENTING
14. LIBERATING MARRIAGE AND PARTNERSHIP
15. A FEMINIST SEXUAL POLITICS
― An Ethics of Mutual Freedom
16. TOTAL BLISS
― Lesbianism and Feminism
17. TO LOVE AGAIN
― The Heart of Feminism
18. FEMINIST SPIRITUALITY
19. VISIONARY FEMINISM

Text by Janis Cherry
  • ライタープロフィール







    23.05.03
    29.10.15 漢字の間違いを修正。(Janis)
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