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ヴァギナ・モノローグ 表紙

ヴァギナ・モノローグ
イヴ エンスラー(著)
岸本 佐知子(翻訳)
出版社: 白水社 ; ISBN: 456004757X ; (2002/12) 1500円


いらつめのミーティング部門FLA(Feminism and Lesbian Art)でイヴ エンスラー脚本・主演の「ヴァジャイナ・モノローグ」の紹介と勉強会を始めたのが2002年の11月。英語圏に興味のあるフェミニストには既に「常識的一般教養」でありました。それもそのはず、エンスラーの初演は1996年、'97年には米でオビー賞を受賞。その後、芝居は現在もロングランを続け、作品の公演とその他の収益を運動に繋げるプロジェクト(Vday: 女性に対する暴力の終わる日という意味でつけられた http://www.vday.org/)になっていて、上演はアメリカ各地と世界30ヶ国以上になるとか。

どうして日本に日本語で紹介されていなかったのかには様々な理由があるようですが、待ってました!の日本語版の紹介です。初版が2002年の12月なのに、mikeが所有している本は2003年3月で第4刷です。ニーズはあるんですね〜

さて中身は?
文字だけだと、先にビデオを見ていた私にはちょっと堅い感じ?詩的といえば詩的。所々にカタカナ英語になったり日本語になったりするルビのつけ方が面白い。一つ例を上げると、ヴァジャイナの俗称の一つである"ディグニティ"に"ご本尊"とルビ。日本人の私にはまったく想像外な俗称もいっぱいあるけど、共通点もあるようでニヤリ。日本語で楽しんで理解した後には、いったいこれがどう芝居になっているのかビデオ(英語)チェックがおススメですよ。

実はこの本、友人(ヘテ男さん1)から引き取りました。私の最近の不可解な言動(レズビアンフェミニストぶり)を理解しようと試みたとか。本屋のフェミニズム・コーナーを何軒かはしごして見つからず、得意先の古本屋に委託。「白水社ですね、近くだからすぐ行って来ますよ〜」と軽く引き受けてくれたものの(ヘテ男さん2)、白水社で受け付けてくれた女性を前に「『ヴァギナ・モノローグ』下さい」と頼むのは赤面ものだったとか。

そこでヘテ男さん1の感想はというと、
「もっとショッキングな内容かと思いました。ヴァギナという言葉を口にするのがそんなに大変だなんて不思議ですね」とのこと。

だから法律上女性に分類され、性を語ることをはしたないとされてきた人たちに勇気を与えてるんですよ。ヘテ男さん2だってやっぱり注文の時、口にするのを躊躇したんです。ヘテ男さん1が想像した「ショッキングな内容」について言及を試みましたが失敗。口にするにはハードルがあった様子。そこが問題だと思いません?

Text by mike

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    The Vagina Monologues / Movie (2000) ビデオレビュー by Janis Cherry 09.12.02

    17.03.03
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