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July 1, 2004 updated

<性虐待・暴力を受けたことを本人から打ち明けられたとき>

被害者の話をよく聞くこと。
被害者の安全を確保して、被害者が安心できるような手助けをすること。(外気温の調節、衣服や食事の世話、安眠できるような環境づくり。)
自分以外の援助者が必要な場合は、援助者の性別など、被害者の意向をよく汲み取ること。

原則として、被害者が話した内容について(相手の了解がない限り)自分の胸に留めておくこと。

被害直後であれば、外傷、あざや傷、痛いところがないか確認すること。
できればなるべく早い段階で医師の診断を受けること。(レイプ・強かんされた場合はすぐに産婦人科へ。暴力を受けてすぐに服用するピル=妊娠を防ぐ薬があります。日本での認可はまだらしく、中用量ピルを代用するらしい。保険がききません。体への負担は中絶時期が遅くなるほど大きくなるので早い処置をできるのならそれに越したことはない。IFPAクリニック「電話相談」:ピルや緊急避妊についてなどの相談窓口情報)
HIV感染も含めSTD(性感染症)は、感染の可能性があった出来事から一定期間を置いてからしか検査できないものもあります。医師に相談してみてください。

被害直後であれば警察へ、また被害者の様子を見て必要と感じたら相談機関(児童相談所、いのちの電話、女性センター、強姦救援センターなど)を利用して、被害者が一人きりになっても頼れるところへのアクセス(電話番号など)を知らせておくこと。

必要ならば、また被害者が望むなら、援助者が代理でカウンセリングなどの予約を取ったり、被害者が外出する必要がある場合、病院や警察等に付き添うこと。そうして被害者が今現在安全であることを実感できる手助けをすること。

被害者が、被害者自身を責めるような発言をしたとき(自分に隙があったとか、落ち度があったというようなこと)、その場で否定し、被害者は何も悪くないことを強調すること。

被害の程度について第三者であるあなたが(専門家だと自負していても、あなた自身がサバイバーであっても)決めつけないこと。どんな被害でもたいしたことがないとか、逆に人生を狂わせるほどの傷だとか、一生消えないなどと言えない。人生の中でそのことをどの程度重要視するかは被害に遭った人が決めること、一つひとつの経験の意味はその人自身によって、また時間や状況によって変化していくことを忘れないこと。

一度話された被害の内容やその詳細が、それ以降、本人から語られなくても、無理に聞き出そうとしないこと。

被害者と親密な関係にあれば、被害者との関係を創っていく中で難しいと感じていることを、相手とよく話し合うこと。
相手の言いたいことがなかなか言葉にならなくても、また自分の気持ちが上手く伝わらなくても焦らないこと。

性暴力被害を打ち明けられたことで自分自身がショックを受けたら、自分のためのケアを受けることも考えること。(カウンセリングを利用するなど)
すべての援助を一人で引き受けようとしないこと。そのためのネットワークを探すこと。


<復讐と謝罪のこと>

- 裁判を起こせるなら起こしましょう。応援します。応援する組織もあります。見つからなかったら作ります。けれどもあなたがあなたの受けた被害についてその後何もできなくてもかまいません。あなたが生きること、それ自体に意味があります。-

同じ加害者が同じような過ちを犯す可能性があることは否定できません。告発したり裁判を起こすことで、加害者に新たな犯罪を起こさせない意味はあります。

また、裁判を起こしたり、暴力被害について公の場で語ることは儀式的な意味合いで、サバイバーの癒しの一つの段階となることがあります。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)についての社会的な理解も深まってきているようなので、刑事責任だけでなく、民事の面から訴訟を起こすことは可能かもしれません。

例えば、セクハラ被害からの救済目的で行なわれた判決では、精神的苦痛(いつ終るのか、誰にも分かりません)の償いをすることや、人権の侵害、特に性や身体についての自己決定権を侵害したことに対する償いを求めるものが出てきています。
けれども、裁判を起こしたり、マスコミやインターネットによる弾劾が、サバイバーの癒しの助けになるとは限りません。

むしろ、逆襲を受け得ることを覚悟する必要があるかもしれません。 サバイバーの親密な人間関係や、経済的な負担、おかれている社会状況、家族のことなど、影響はさまざまなところに及びます。

また裁判中、繰り返し被害の状況を語ることは何度もその状況を強制的に思い出すことになり、それ自体相当なエネルギーを使います。それによってサバイバー自身に新たな危険や負担を生み出す可能性もとても大きいものです。
その上、性犯罪は一般的に当事者しか知りえない情報に基づくので立証が難しく、被害者が裁判に勝てる可能性が、とても低いのです。

治療費や生活費の援助にはなっても、判決の結果得られた慰謝料や賠償金をもらったところで全てが解決する訳でもありません。

なんとか罪という罪名を背負った刑事責任には時効があります(ただ、例えばアメリカ合衆国カリフォルニア州の場合子どもに対する性犯罪に時効はありません)。が、生きるか死ぬかの危機に瀕した体験を強制されたサバイバーの苦しみは、程度の差こそあれ時間だけが解決するものではありません。

サバイバーは、生き抜くすべを身に付け、そこから自らを癒していくことでようやく以前の状態より少しずつ楽になれます。

暴力被害からの癒しの過程は時間が必要なだけでなく、被害後の人生の質の向上を求めていくこと、被害にあった人自身が自分の人生を大切にしていくことの積み重ねです。

サバイバーにとってもっとも重要でかつ必要なことは自らの身体的な健康を保つこと。
それから、自らが安心・安全と思える場所を確保すること。
これから先、自分の思うように生きていく力を自分自身が内側に持っていることを信じること。

サバイバーの周辺にいる人は、サバイバーの持つ力を信じること。
一つ一つの暴力被害について、被害者となった人間が悪かったところはなく、被害者になったせいで傷ついても失われたものや汚されたものはないことを、サバイバーが信用してくれるまで伝えつづけること。
サバイバーにとって、必要な支え(病院への送り迎えかもしれないし、家事を少し多めにすることかもしれない)を自分のできる限りの範囲ですること。

それから、できないこと、自分の限界を知っておくこと。
またサバイバー支援者自身が息切れすることは、その人がサバイバーに近ければ近いほど、よくあることなので、自分自身のケアを怠らないこと。他人の世話にかまけて、自分の健康が脅かされては大変です。カウンセリングを利用することもおすすめします。

暴力被害後、サバイバーやその支援者が加害者への怒りに囚われてしまい、その感情がコントロールできないほどつらいことならば、信頼できる冷静な人に話をしてみること。

過去の暴力被害について、支援者の心が怒りなどの強い否定的な感情に満ちているとき、その人が何らかの行動を起こすことは、サバイバーの癒しのためにならない。

強い感情に突き動かされるように何か危険を冒すような行動をすること(裁判を起こしたり、マスコミなどで弾劾したりすることや、何らかの復讐をすること)は、冷静な判断力をなくした結果であってはなりません。

まずは、何か行動を起こすのであれば、それが、サバイバーの癒しのためか、いつも考えてから行動することが大切です。

裁判後あるいはマスコミなどに対しての告発後、加害者からの謝罪は得られるかもしれないけれど、サバイバーにその暴力加害が許されることはないでしょう。

けれども、サバイバーにとって、過去の暴力被害が人生における全ての失敗の始まりでなくなったとき(たしかにそもそもそんなことはありえないのだけれど)、復讐や謝罪を求めることはなくなります。

元加害者に贖いを求めなくてもそんなものがなくったって、生きていけます。


推薦図書など
  • 生きる勇気と癒す力(新装改訂版)― 性暴力の時代を生きる女性のためのガイドブック』の共著者の一人、Laura Davis による『Allies in Healing: When the Person You Love Was Sexually Abused As a Child, a Support Book』が翻訳されましたが、私自身は原著のメッセージは的確に伝わっていないと思います。余裕のある方は読み比べをおすすめ。『もし大切な人が子どもの頃に性虐待にあっていたら―ともに眠りともに笑う

  • 癒しのエンパワメント―性虐待からの回復ガイド』(森田ゆり 2002. 築地書館)はサバイバーを読者対象として書かれています。サバイバーが支援者に言われがちな、傷ついてしまうようなことばの例も挙げられています。

  • また『インパクト・オブ・トラウマ』(小西聖子 1999. 朝日新聞社)に被害者援助のあり方が分かりやすくかかれています。書籍案内コンテンツで検索すると詳細を読めます。

  • 具体的な支援団体については、リンクをご利用ください。また『女たちの便利帳 5』(ジョジョ企画 2004. 教育史料出版会)に各地の女性医療従事者、支援相談機関や自助グループなどの情報が載っています。

  • このサイトを含めSelfishprotein.netドメインから発信中の、「デートレイプ(顔見知りによる性的暴力)啓発パンフ」にも被害者援助について情報を載せています。無料配布を歓迎しています。

  • インターネットでは「性暴力情報センター http://www.macska.org/saic/」の情報がまとまっていて読みやすいです。間接被害についてのコンテンツがあります。
    他のウェブサイトについてはリンクをご利用ください。

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