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September 20, 2002
既に起こっている虐待をくい止めるために今私たちができること 子どもの受ける性的暴力の多くも他の種類の子どもへの虐待と同じく、ごく身近な大人が加害者です。 調査によって数字はさまざまですが、一般に人口の6パーセントから16パーセントが親(血のつながりはある場合もない場合もある)からの性的虐待を受け、性的虐待被害全体の3分の1は親以外の近親者からの虐待です。 また臨床の場で見られる被害者の4分の1は親から、3分の1は親以外の近親者から性的虐待を受けており、こういった臨床の場で分かっているだけでも性的虐待の半数は家族による虐待です。 そのために、子どもが他の大人に例えその被害を訴えても、信じてもらえないと子ども本人が思ってしまいます。ですから、性的虐待は今までから存在してましたし、その多くは秘密でした。 虐待から、子どもはどうやって逃れられるでしょう。子ども自身が大人に言うか、大人が気がつくかしかないのです。虐待を受けている子どもは信頼している大人に既に裏切られているのですから、加害者より信頼できる大人が身近にいるかどうかにその被害を止められるかはかかっています。 性的虐待の被害者の平均年齢は9歳(発見時)で、実際には幼児期から大人になるまでの子どもに性的虐待被害者が見られます。加害者の圧倒的多数は男性で、女性の加害は少数です。 男の子の方が女の子と比べると、比較的大きくなってから、家族以外から、女性から、他にも子どもの性的虐待をしている大人から、性的虐待を受けることが多いようです。逆に言うと女の子は男の子と比べて、幼い頃から、家族から、男性から、他の子どもには性的暴力をふるわない大人から、性的虐待を受けることが多いともいえます。そして、女の子の方が男の子よりも多く被害に遭っています。 また、実の親と同居していない場合や、母親が役に立たないか母親に助けてもらえない場合、あるいは家族との暮らしに恵まれていない場合も性的虐待の危険性が高まります。障害児の被害は障害のない子どもと比べて1.75倍報告されていますが、これが障害があるためなのかより見つけやすい状況にあるためなのかは不明です。 ところが、ある研究では性的虐待を受けたために性感染症にかかっているにもかかわらず、感染していた46%の子どもが性的虐待の被害を初診の際には言わなかった例があります。法廷に持ち込まれたケースで明らかな証拠があっても、10%の子どもは性的虐待を否定したという研究結果もあります。 (一方、性的虐待をされたと子どもが嘘をつく場合は、報告された性的虐待全体の1-2%程度でこれは他の偽証と同程度の割合ですが、実際に第三者に知られる性的虐待はごくごく一部ですから性的虐待の偽証は非常に少ないことが分かります。) ほとんどの子どもが性的虐待から逃れるには人に言う必要があると分かっているのですが、そうできないのです。(詳しくは[被害の特徴]) また、性的虐待を受けていても子どもの記憶が正確でなかったり、詳細が曖昧であったり、一部つじつまが合わなかったり、混乱している場合もあります。それでも、そういった子ども本人の話の曖昧さがその子どもに起こった性的虐待の存在を否定することには即つながりはしません。(また、加害者は否定しますし、家族も知らないか黙認しているケースも多いので周囲の人間が当てにならないのは当然です。) 子どもが小さいうちは特に、医療機関や保育所などの児童福祉機関が第一発見者になりえます。子どもが小さいほど、学校や託児所に行ってないほど家庭で過ごす時間が長くなり、その密室性が高くなります。一方で、身体的虐待やネグレクトのために子どもが死亡にいたる可能性も体が弱いことから、高くなります。より早期での虐待被害の発見が必要です。 例えば、産婦人科や小児科での定期的な検診や看護師による家庭訪問が発見のきっかけになりえます。虐待の起こっている家庭から、誰かが助けを求めるのを待っていると手遅れになります。こちらから出かけていってはじめて、虐待を止められます。そのための支援が今後は当然必要になってきます。 子どもの行動範囲が広がるにつれて、学校や近所の人たちも虐待を発見する可能性はあります。被害に遭っている子どもを見つけるには、被害に遭っていない同世代同地域の子どもたちを既に知っており、その子どもたちと比べて観察してないと分からないかもしれません。その点、子どもの集まる場所にいる教育関係者や福祉関係者は既に条件が整っているのですから、深い洞察力と子どもへの注意力があれば虐待から子どもを救える可能性があります。 実際に、虐待被害を見つけた場合、またはその疑いがある場合、今現在の日本の制度では児童相談所に通報し(緊急時は警察に)、連携を取って行くことになります。 特に性的虐待を未然に防ぐために私たちが今できること まず、あなたは性的虐待をしないこと。 子どもに、性的人権があることを大人に伝える。本やインターネット、テレビやビデオ、映画を利用して、あるいは講演会や学習会、仕事上の研修を開いて。何より、あなたの一番身近な人たちにあなたが話をしてください。 子どもに、性的人権があることを子どもに伝える。 例えば...性的人権について分かりやすく書かれた本を読み聞かせる。プライベートゾーン(胸とお尻)を含めた自分の身体は自分のものという考えを伝える。子ども、一人一人がかけがえのない存在であることを絶えず伝える。性の多様性、同性愛について説明する。インターセックスの(生物学上の性別が曖昧な)子どもに対して、不必要な医療を行わない。男らしさや女らしさを普段から生活の中で強要しない。例えば、オカマとはやしたてて子どもを傷つけない。などなど。 そしていざというときのために、電話などで相談できる窓口を作る。窓口から専門機関への連携をスムーズに、また経験を積み重ねてより有効な窓口へと改善する。窓口の存在とアクセス方法を子どもと子どもの周囲にいる大人に伝える。 未来にできることがあるとすれば 加害者更生のプログラムを作る。まだ有効な手が見つかっていません。 参考:ミーガン法のまとめ @ macska dot org これは更生プログラムが焦点ではないのですが、分かりやすくまとまっていると思うので紹介します。米国のミーガン法が有効でないと考えている方が性犯罪を起こした人の処置に関連する資料と考察をまとめられてます。反論サイトができることがあったらまた紹介しようと思っていますのでよろしく。(2005年1月7日追記) Copyright 1999-2003 Lati. All rights reserved. |