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子どもは大人と同じく、人格を持った個別の人間です。基本的人権を持っていて、それを守る権利があります。その権利を侵すことは誰にも許されていません。 <性的虐待の種類>(引用:page 32-33, Maltz. 1991:拙訳) ■ 子どもに対する性的虐待 Child Sexual Abuse ■ 近親姦 Incest ■ 体の接触をともなう伴わないに関わらず性的な虐待、嫌がらせ Molestation ■ 見知らぬ人による強制的な性的接触、性交(未遂)Stranger Rape ■ 顔見知りによる強制的な性的接触、性交(未遂)Date or Acquaintance Rape ■ パートナー、配偶者による強制的な性的接触、性交(未遂)Marital Rape ■ 体の接触のある性的虐待、嫌がらせ(「性暴力」と訳されることも多い) Sexual Assault ■ 裸や性器を強制的に見せること、露出、無理矢理自分のあるいは相手の体などを人の目にさらすことで性的な欲望を満たそうとすること Exhibitionism or Exposure ■ 他人の個人情報を勝手に探索すること、覗き Voyeurism ■ 猥褻ないたずら電話 Obscene Phone Calls ■ 被害者をいじめて加害者が快感を得る性的虐待 Sadistic Sexual Abuse ■ 性的搾取 Sexual Exploitation ■ 社会的に上の立場の人間による力関係を利用した性的な嫌がらせや性的な暴力 Sexual Harassment ■ 性別に依って(既成の性別の概念に当てはまらない人=同性愛者やトランスジェンダーなどや、被害者の多くが女性であることから性的指向を問わず女性を)攻撃すること(=加害者の考える性別役割を個人の意志を無視して背負わせようとする、思い知らせようとするなど) Gender Attack ■ 同性愛者または同性愛者にみえる人に対する嫌がらせ、虐待 Gay Bashing ■ 性的な体の部分を傷つける暴力 Sexual Violence [以下2001年11月2日追記部分] ("子どもと暴力" 森田. 1999 からの引用。書籍についての詳細は書籍案内コンテンツから検索可能) <1 心とからだの不思議(「暴力を再考する」の項から)> 17ページ ■ 「暴力とは人が他人または自分の心とからだと深く傷つけること」といえるのではないか 16ページ ■ レイプや痴漢行為やセクシャルハラスメントなどは、性を手段とする暴力である。ここでの性とは「相手のまたは自分の性器、相手のまたは自分の性的な感覚と意識」を指す。つまり性暴力とは女性に対する暴力という意味ではなく、性を武器として使う暴力と定義することができる。 <2 人権という名のこころの力(「人権をこころのレベルで考える」の項から)> 36ページ ■ 人の心の力としての人権の内実は三つある。安心して生きる権利、自信をもって生きる権利、そして自分で選んでいく自由の権利である。 (38から40ページに、森田は暴力を受けると人はどうなるのか三つに分けて解説している。「恐怖、または強度の不安を感じ」、「無気力化(パワレスネス)におちい」り、「行動の選択肢をせばめられる」という。そして以下の通り40ページにはそれを言い換えて説明している。太字表記は本文まま。) 恐怖または強度の不安とは ― 「安心」して生きる権利が奪われたことだ。 無力化とは ― 自分の力を信じる「自信」の権利が奪われたことだ。 選択肢が狭まるとは ― 自分で選ぶ「自由」の権利が奪われたことだ。 [以下2001年11月14日追記部分] (以下引用、要約は"セクシュアル・ライツ入門" 浅井. 2000 から。書籍について詳細は書籍案内コンテンツから検索可能) <II 子どもの性的人権論 第4章 子どものセクシュアル・ライツ> ■ 「1. 人権とは何か (2)人権の骨格」から、67から69ページ 「人権とは”人間の尊厳”についての法律的表現である。人間の尊厳とは、まず生命権、生存・発達の確保(子どもの権利条約第六条)を前提にして」以下の「三つの柱で構成されている」 1. プライバシーの保障 2. アイデンティティの保全 3. 自己決定・選択の尊重 ■ 「3. セクシュアル・ライツの骨格」(74から77ページより引用、要約:"セクシュアル・ライツ入門" 浅井. 2000) 1. 「自らのからだ・性器を自己管理する権利」 (この権利を育てていく必要性について浅井は「援助交際」問題を含めた子ども買春をあげている。「性的虐待に関しても、自分のからだ・性器を守る為に、『ノー!』という拒否する力、自らのからだを守るエンパワーメントをはぐくむことが今後の課題」とし、「アフリカ諸国で行われている少女期の『性器切除』」はこの点からも緊急に解決すべき課題としている。) 2. 「性的平等が保障される権利」 (「男性中心社会のなかで女性であることが大きなハンディとなっているのが現実」である以上、「同一労働同一賃金制は、現実には性的不平等を前提にした制度」といい、続けて「性的不平等の最も攻撃的なあらわれがセクシュアル・ハラスメントや強姦などの行為」としている。) 3. 「自らのセクシュアリティを保全し選択する権利」 (ここで浅井は同性愛への偏見を「セクシュアル・ライツを侵害する最も大きな障害」と捉えている。「性的自己同一性を確保するために、自らのセクシュアリティを選択することも重要な権利」と性自認を主体に考えて性同一性障害を感じる人が性再指定手術や戸籍上の性別変更することもこの権利行使と解釈している。) 4. 「自己の性行動を選択し決定する権利」 (「恋愛、マスターベーション、性交、避妊、妊娠・中絶、結婚・離婚、出産、子育てなどの性行動」の「選択・決定にはできるだけ性に関する知識を多くもっているほうが賢明な行動が取れることはセクソロジー(性学)の共通認識」とし、「この第四の柱がセクシュアル・ライツの根幹」と続けている。) 5. 「性に関する健康の最高水準を保障される権利」 (「性行為感染症、性的虐待、若年妊娠、人工妊娠中絶などに対して、医療や相談・援助体制の最高水準を獲得する権利」と言い換えている。そして「性的な健康があってこそ賢明な性的自己決定ができる」と言えるのだから、この部分は「セクシュアル・ライツの土台になっている」とまとめている。) 6. 「性に関する情報・教育を保障される権利」 (先の5つの柱も、「必要な性情報にアクセスし、学習権が保障されてこそ行使できる」のだから、「事実・真実・現実を知ることで人間はより賢明な行動をとることができる存在であることに確信をもつことが重要」であり、浅井の言う『人間』にはもちろん子どもが含まれている。) 76ページ(4番目「自己の性行動を選択肢決定する権利」の項に追記してある部分の引用) ■ 「自己決定権とは、『他人に迷惑をかけない限り、たとえ本人にとって結果的に不利益がもたらされようとも、自分のことを自分で決められる権利のこと』」 ■ 「自己決定能力とは、『多様な選択肢を前に自由自在に選べる内的原則を獲得している』ことが問われる概念」 「4. 子ども達のセクシュアル・ライツの現在 (2)子どもへの性的虐待」(引用、要約:"セクシュアル・ライツ入門" 浅井. 2000) 80ページ(太字はLati) ■ 「性的虐待とは、子どもを性的に支配し、子どもの性的自己決定権を踏みにじる性的暴力および性的搾取をいいます。」 以下、挙げられている「性的虐待行為」とそのまとめ部分までの引用。 1. 近親姦(家庭内の性行為) 2. ペドフェリア(子どもを性の対象としたがる大人の行為) 3. 露出症 4. 性的嫌がらせ(接触・愛撫・キス・同時自慰) 5. 性交 6. 強姦 7. 性的サディズム(大人が性的興奮を得るためにおこなわれる身体的暴行) 8. 子どもポルノ 9. 子ども買春への関与 「…などがあります。これらの行為は、子どもたちにとっては性に関する健康や福祉を損なう心的外傷体験として心に深く残ることになるのです。」 81ページ(また108ページ<第7章 セクシュアル・ライツの現実と展望 3.性的虐待>の部分にも同義の記述がある) ■ 性的暴行の加害者となりえる人たちは、特別なグループにいるのではないのだから 加害者には「親や保護者」、「幼稚園・学校の教師、保育所の保育士、施設職員、顔見知り、第三者」がなりうるうえ、 子どもを使ったポルノグラフィ、子ども買春となればその性的虐待・搾取に加担しているのは特定の人物やグループのみによらないとなる。 [以下2002年1月5日追記部分] ("生きる勇気と癒す力" Bass & Davis. 1997 初版は1988 からの引用。書籍についての詳細は書籍案内コンテンツから検索可能) (25から26ページ) 子どもの頃の性的侵害チェックリスト 幼い時、または一〇代の頃、あなたは以下の行為を強要されましたか。 ・大人の性的欲求を満たすため、触れられたり、キスされたり、抱かれたりした。 ・大人や兄弟を相手にオーラルセックスを強要された。 ・強姦されたり、身体にペニスを挿入された。 ・性行為を無理やり見せられた。 ・体の性的部位を触られた。 ・露骨な猥談を聞かされた ・入浴のとき、性器を触られたり、傷つけられた。 ・大人の加虐的欲求、性的欲求を満たすために、不必要な医療を受けさせられた。 ・セックス・フィルムやポルノ写真を見せられた。 ・挑発的または性的なポーズを強いられ、写真を撮影された。 ・児童売買春や子どもポルノに巻き込まれた。 ・身体的、精神的あるいは性的拷問を伴う虐待的な儀式の参加を強要された。 以上のような出来事は具体的に思い出せないが、どこかで虐待を受けたような気がしてならない、という場合もあります。 [引用終わり] 以下は大人のサバイバーに対してのメッセージです。特に、性的虐待を受けたかどうか確信が持てない場合に支えになると思います。(「第五章 真実を見すえる―サバイバー攻撃に応えて」 443から444ページ) [以下は()内以外が引用です] *苦しみには理由がある 性的虐待のサバイバーに似た苦しみを感じているなら、それなりの理由があるのでしょう。性的虐待が原因とは限りませんが、真実を突きとめ、声にする必要があります。苦しいのはあなたがおかしいからではありません。 *確信をもてる部分から癒し始めよう 情緒的虐待を受けたことは確かでも、性的虐待があったかわからないときは、確かなほうの癒しに集中しましょう。細かい事実を突き止めなくても、癒しを進められます。 *確信がなくてもいい 起きたことを正確に把握したいと思うかもしれませんが、真実を発見するには時間がかかります。自分に時間を与えましょう。すぐに全貌が分からなくてもいいのです。 *未確定のことは断言しない 性的虐待を受けたかどうか迷っているなら、焦って決めることではありません。自分なりにはっきりさせるには、時間と空間が必要です。セラピストであれ、性的虐待のサポート・グループであれ、家族であれ、プレッシャーをかけて急かす人は助けになりません。代わりにあなたの疑問に耳を傾け、葛藤を受け止め、充分時間をくれる人に話しましょう。一方のみを強調したがる人との接触はなるべく控えましょう。 (上記 第五章 448ページ) 何もしなくてもいいことを忘れずに 「何かしなくては」と感じても、今は自分自身の癒しで精一杯というサバイバーもおおぜいいます。それで充分です。第一の責任は自分自身の癒しです。力がついてきたら分かち合えばいいのであり、まずは自分をいたわることが先決です。作家であり、活動家でもあるサンドラ・バトラーはこう語っています。 「この文化に生きる女性にとって、自分自身と自分の生活を真剣に受け止めることこそが、第一の政治行動である」 [引用終わり] ("セクシュアル・ハラスメント法律相談ガイドブック" 第二東京弁護士会編. 2001. からの引用。書籍についての詳細は書籍案内コンテンツから検索可能) (第I章 15から16ページ) (1)セクシュアルハラスメントの概念(※以下SHと省略. Lati) 1. 概念定義 a 最広義:相手方の望まない性的な行為 b 広義:権力的な関係などを利用して行われる、相手方の望まない性的な行為 c 狭義:雇用上の関係を利用して行われる、相手方の望まない性的な行為 (17から18ページより一部引用) 1. 概念定義に関する諸説 a ジェンダー・ハラスメントの観点 最広義の「相手方の望まない性的な行為」のうちの「性的な行為」に性差別、すなわち固定的男女役割分担意識に根ざすジェンダー・ハラスメント(※以下GHと省略. Lati)まで含むとする説もある。 (が、SH「が『セクシュアル』すなわち性的見地からの概念であることから、」GHについては」SH「から除外すべきとする説も有力」 しかし一方で、SH「の問題を考えるにあたり、」GH「、固定的男女役割分担意識が」SH「全般の問題―いわば基底部分を構成しているということができる」と述べている。) b 広義の「権力的な関係などを利用して行われる、相手方の望まない性的な行為」 (「雇用以外の権力的な関係全般をも含めた定義」 ゆえに、「学校・刑務所の場における」SH「や、いわゆるキャンパス・」SH「等も含まれる」となる。) c 狭義の雇用上の関係を利用して行われる、相手方の望まない性的な行為 (「現在では広く認知されている」としている。 SHを「『環境型』『対価型』に分類する定義は、アメリカでの確立した分類に基づく」が、「むしろ日本では『対価型』というより『地位権限利用型』という類型の方が妥当との説もある」とのこと。) d その他 (「これ以外にも、親子などの私的関係までセクシュアル・ハラスメントに含める立場もあるが、本書(=同掲書. Lati)では『性的虐待』として別概念」とされている。) (20ページより引用) [引用はじめ] (2)セクシュアル・ハラスメントの具体的態様 1. 男性中心の発想で女性の立場が無視される 性に関する不快な発言(性的な下品な冗談、性的なからかい等)、人目につくところへのヌードポスターの掲示、ひわいな絵や文章を見ることを強要。異性一般に対する蔑視的な発言をする。女性のみ「ちゃん」づけで呼ぶ、「女の子」という扱いをするなど。 2. 仕事上で性別による役割を求められる 湯茶サービス・コピーなどの雑用、補助的仕事は女性担当とされる。女性は「職場の花」として扱われる。女性らしいとされる服装や振る舞いを要求される。意見・主張するのは女らしくないとされ排斥される。婚姻歴の有無・年齢・容姿により扱いが異なるなど。 3. 性的な役割を求められる 宴会などでお酌・デュエットなどの相手をするのが女性の役割とされる。性的な噂・話題の対象となる。 4. 性的な関心を示される 性的関心を露骨に示す(身体を長い時間じろじろ眺める等)、執拗な交際の誘い、身体(肩・背中・腰・頬・髪・手等)への不必要な接触、性的関係の強要など。 [引用終わり] (Lati 注:セクシュアル・ハラスメントについての具体的な例を挙げたのは、それがもしも大人から子どもへのセクシュアル・ハラスメントであれば、『性的虐待』となることに気がついて欲しかったからです。そう考えてから、上記部分は読んでください。 また、ここで挙げられているのは専ら男性から女性へのハラスメントですが、本掲書でも取り上げられているのですが、統計的に男性が加害者で女性が被害者の例は多いものの、女性から男性への加害、また同性間でのセクシュアル・ハラスメントがあることも事実です。) Copyright 1999-2003 Lati. All rights reserved. |