"iratsume" ->> Nihongo ->> 「分野別」エッセイ ->> hometownless 今日は何にも買わない日 by Janis

毎日何かしら買い物している。買い物しないと生活できないよねえ。米、リンゴ、ドッグフード、石けん、タオル、コーヒー、CD、レターセット、綿棒、手袋、それから電気、水道、ガス、電話、購読料、インターネット…。物やサービスを受け取って対価を支払うことを、私たちはほとんど毎日している。
でもさあ、一つ一つのお買い物って吟味してないことが多いんじゃない?たまには買い物しない日を決めてみるのも面白いかもよ。広告に踊らされるようにいらんもんまで買わんでよろしい。というキャンペーンを紹介します。
[ 無買デー Buy Nothing Day Japan http://www.bndjapan.org/ ]
このキャンペーン、北アメリカでは2004年11月26日(11月第4木曜日)、つまり Thanksgiving 感謝祭の日です。北アメリカ大陸開拓時代、ヨーロッパからの入植者が初めて収穫した秋に先住民を交えてお祝いをしたのが起源とか。今では年に一度家族が集まり、気持ち悪くなるまで七面鳥の丸焼きやマッシュポテトその他を食べまくる。この日が終わればクリスマス商戦が始まります。そんな非常に印象的な日に設定されている Buy Nothing Day、日本でも今日2004年11月27日(11月最後の土曜日)を「無買デー」として遊んでみましょうというキャンペーンは、1999年から始まっているそう。

確かに捨てるほどモノを持つ人と食うものに困るほどモノを持たない人がいるのはおかしいと、神奈川県川崎市にいても国境を越えたニュースを見ていても感じる。だからこそどーやってもやっぱり必要なものについては、少しずつでも一品ずつでも、納得の行く買い物ができたらうれしい。広告がどうだろうがどこの企業が市場を独占しようが、自分の好きなものには本当に出したいだけ出せればいい。だけど、実際のところ何を買って何を買わないか自分の頭で選択してるかはいつも曖昧。

そんなわけで、なるべく賢い消費者でいたい私の基準に少しはなりそうなものを借りてきた。「フェアトレードの基準」[1]
  1. 生産者に仕事の機会を提供する
  2. 事業の透明性を保つ
  3. 生産者の資質の向上を目指す
  4. フェアトレードを推進する
  5. 生産者に公正な対価を支払う
  6. 性別に関わりなく平等な機会を提供する
  7. 安全で健康的な労働条件を守る
  8. 子どもの権利を守る
  9. 環境に配慮する

しかし、こんな風な地道で真面目な基準に沿った消費活動その他にあこがれながら、ドカ食いと衝動買いが私を救ってくれたことがある。お金一つで。そんなストレス発散方法しか手元にないこともあったよ。そしてたぶん、私は日常的にアンフェアトレードなものを食べ、着て、使っているんだろう。そういうアンフェアで不正義なことは自覚的にも無自覚にもままあるのだが、いつもちゃんと考える余裕はないのだが、決して開き直りたくはないのだが。それでも何もかも全く知らなかった、分からないからいいじゃん、というには私は「大人」になりすぎているし裕福すぎるのも実は分かっている。

話が飛ぶが、私がレズビアンだというと、ヘテロな人はそんな人がいるとは知らなかった、分からない、知識がなくて考えたことがない、と言われることがある。そういうとき、レズビアンはあなたの目の前にいるし、本でもネットでも使って、今からでいいから考えろよ、と私は言い返す(もっと優しく)。ここでのレズビアンは他の言葉に置き換え可能。

今自分がいる場所に不公正な経済格差があることが分かっているのに、自分には何もできないとは思いたくない。何をしても悪い意味も良い意味もない、今からでは遅すぎるとは思いたくないのだ。今日は一日何も買わない日と決めてみるのも面白いかもしれない。今日は一日、お金を使わない楽しみと自分が納得いくお金の使い方を考えてみるのも悪くないと思う。思いっきり迷って結局その買い物はしないでいる、そんな優柔不断の末の非生産的な決断こそ、ホントは生産的なこともあるのだし。

Text by Janis Cherry
  • ライタープロフィール

    [1] 引用は「フェアトレードの基準」(IFAT=国際フェアトレード連盟の基準の日本語翻訳)「フェアトレードとは、貧困のない公正な社会をつくるための、対話と透明性、互いの敬意に基づいた貿易のパートナーシップです。」(『フェアトレード〜これからのビジネスモデル』パンフから)





    << 参考URL >>
  • 無買デー Buy Nothing Day Japan
    http://www.bndjapan.org/

    内容はもちろんリンク集もチェック。
    カナダ Adbusters から、オリジナルのウェブサイトはこちら。http://www.adbusters.org/metas/eco/bnd/
     
  • IFAT: The International Fair Trade Association
    http://www.ifat.org/

     
    日本のIFAT(国際フェアトレード連盟)加盟団体
  • ネパリ・バザーロ http://www.yk.rim.or.jp/%7Engo/
  • ピープル・ツリー/フェアトレードカンパニー株式会社 http://www.peopletree.co.jp/
  • ぐらするーつ http://grassroots.jp/
    上記以外にもフェアトレードの品物を扱っているお店やNGOはあります。「フェアトレード」「オーガニック」「(生産国や地域名)」「(コーヒーなどの品名)」をキーワードに検索するとぞろぞろ見つかる。フェアトレードについての説明もそれぞれのサイトにあるので読んでみてください。
     
  • Oxfam America
  • This Thanksgiving --- Make Trade Fair for Farmers!
    http://ga0.org/campaign/ag/explanation

    ブッシュ大統領に農産物輸入政策について意見しよう、というキャンペーン。日本のオックスファム・ジャパンはこちら。http://www.oxfam.jp/
     
    2004年12月1日追記:
  • Earth Day Ecological Footprint Quiz
    http://www.earthday.net/footprint/index.asp

    普段の生活で本当にかかっている『コスト』を計算するクイズ。もし自分と同じように世界中の人が暮らしたら地球がいくつあれば足りるかという結果が出ます。私は地球2.4個分でした。。
     
    01.12.04 updated
    27.11.04
    Copyright © 2002-2008 "iratsume." All Rights Reserved.