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伊豆へ行ったよ

2004年3月27から28日にかけて、静岡県中伊豆にある友だち村というところへ読書会に参加している・したことがある6人で行ってきました。中伊豆では次々と面白い人に時間の許す限り付き合ってもらえて、とても恵まれた、そして密な内容でした。一緒に行った友人たちにも、向こうで会えた人たちにもとても感謝しています。

そもそものきっかけは、例えばレズビアンのような結婚制度や家族形態に頼らない女たちが住むコミュニティ、言ってみればレズ村を作ろうという話が、2004年1月4日の『ララミー・プロジェクト』上映会の後にあって、そんな新しい形の住まい方の可能性を感じさせる場所をみんなで訪ねてみよう、という企画だったと思う。

ところが、私は日本では自分らしく暮らしていける可能性を感じたことがない。自分にとって日本という場所がとても生きづらいとかなり以前から感じている。例えば「健康」でない時は仕方なくここにいるが、日本での永住だけは避けたいと考えている。他の理由もあるけれど、いずれここから逃げようと思っている。

それでみなで行こうねなんて言われても、正直言って私はこの話には乗り気になれなかった。せいぜいたまの旅行に仲間と行くのが楽しみなだけで、行き先や目的については(私としてはめずらしく協調的に)みんなが行くからそれに付いて行く、くらいの気持ちでいた。

フェミニズムとレズビアンアートの会というのは、私の居場所がここにないのなら自分の手で「作ろう」と思って始めたけれど、週に何度かの会合ではなく、月に一度のイベントではなく、インターネット上の仮想空間でもなく、衣食住にもっと近いところでの自分の居場所は全く想像できないでいた。だからって自分で作ろうと考えたことはない。今後も私が私のままでこの場に存在し続けることについて、私にはどこか逃げ腰なところがある。

そうしたら、このわずか二日間に、ここに自分がワタシらしくいられる場所がないんだったら自分たちで作るか、と実際作り出してしまった人たちに続けざまに会ってしまった。今の私にとって、生でそういう人たちに会えたことが最大の収穫だったと思う。今回の収穫は色々他にもあるし、後日分かってくることもあるだろうけれど。

今更でいやになるが、過去から現在の自分が繋がっていてそれが未来へ続く、自分自身の生きている一瞬一瞬が繋がっている、自分の時間と空間が他人のそれらと繋がっている実感が、悔しいくらい今の私にはない。今現在この瞬間に自分が生きている実感を感じない、そのことに病的なまでに絶望することがある。今も、たぶんこの先もしばらく、そういう足元の覚束ない感じを、私は持っているだろう。

そういう危うい部分は抱えたままであるし、実際外側から見れば全く変化してないのだけれど、欲しいものがないのなら自分で作ればいい、と他人が自分とは全く別の次元でやっていることを知る機会を得て、勝手に勇気付けられている。

そんな訳で、勢いに巻き込まれるように何となく行ってしまったが、結局私にとってすごくラッキーな事件だったという話。


Text by Janis Cherry
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  • わかった会館
    http://www.a-wakatta.com/


  • コニコマの部屋(駒尺喜美さんのサイト)
    http://www.konikoma.com/

  • 駒尺喜美さんが友だち村に越してくる前に書いた小西綾さんの介護と友だち家族をテーマにした連載(読売新聞 ケアノート:医療と介護 2002年8月連載)
    http://www.yomiuri.co.jp/iryou/note/no_2002.htm


  • 友だち村倶楽部(福祉マンションをつくる会)
    http://www.seikatsu-kagaku.co.jp/house/eachhouse/tomomura/club.html

  • 友だち村倶楽部(生活科学運営)
    http://www.seikatsu-kagaku.co.jp/house/eachhouse/tomomura/club.html

  • ライフハウス友だち村の概要(生活科学運営)
    http://www.seikatsu-kagaku.co.jp/house/eachhouse/tomomura/


  • 化学物質過敏症支援センター(伊豆・脱化学物質コミュニティー他)
    http://www.cssc.jp/index.html


    福祉マンションにある暮らし―老いて居心地のいい住まい
    斉藤 弘子 (著), 島村 八重子 (著)
    価格: ¥1,600
    出版社: 春秋社 ; ISBN: 4393335015 ; (2002/03)
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    30.03.04
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