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ビザ・ビザ・ビザ

シドニー在住、ゲイ留学続行中の SID です。

今日も職場であるテイラー(洋服を作り&お直ししたりするとこ)で働いていると、職場のボスがビザについてなにやら熱く語っています。

「オーストラリア男性とつき合って本当に結婚できると日本人女性は思ってるのか!答えはノーだ。どうせビザ目的だろう、なんでそこまでしてココに居たいのかわからない!!どーせ、遊ばれてハイさよならだよ」

…といつもの「アンチ・オーストラリア」話に火がついている。
彼は 45 歳トルコ移民。もっじゃもじゃの胸毛と繋がらんばかりの眉毛がとても情熱的。毛穴という穴、すべてからエネジー(本人曰くエネルギーの意味)が吹き出ている感じ。毛穴すべてが宇宙と繋がっていそうな勢い。その彼のどでかい声が部屋中に響き渡る…。宇宙まで…。

どうも、この国の移住者はオーストラリア人(ここでいうとイギリス移民ということになるのですが)が好きではない人が多いらしい。

そう、ここに居るとみんながいつも「びざ、びざ、びざ、びざ」言っているのだ。 そんな私もレズビアンの友人に、名前の次に聞かれたのはビザの話である。
「何のビザなの?やっぱり同性愛ビザ目的なの?」って。
最初はそんな話ばかりするのがとてもフシギだったのと、その「同性愛ビザ」って存在は知っていたけど、日常会話の中にそんなに頻繁に出没してくるとは思いもよらなかった。

この「同性愛ビザ」何てステキな響き。同性愛ってレズビアンの私としてはとても魅力的なキーワードなのにそれにビザっていう国が絡んでるらしい響きがなんともシビレます。厳密に言うと「ディファクト:同棲」ビザが同性愛者にも適応される、ということなのであります。
そう、同性愛者の多いこの国オーストラリアでは同性愛ビザが存在するのです。

簡単に言うと、永住権を持つオーストラリア人と一緒に暮らしたい同性愛者は書類上結婚はできないとしても、それと同等の権利をこの国でもらえる。 ということです。なんともファンタスティックなビザ!!

といっても、その申請はロング・アンド・ワインディング・ロード…。

政府もアホではありません。誰でもかれでもビザ大盤振舞じゃあ、同性愛者ではない人でも友達に「ねえ、ビザを申請してよ」って頼めば誰でも即オーストラリア人!になっちゃいます。そんな甘い話になっては永住者オール同性愛者になっちゃいますねー。それもまたファンタスティック!!…うっとり。

申請するには、まず、お互いの経済力を示す十分な残高証明、雇用先、本当に一緒に暮らしているかを証明する最低 2 年間の(EX: 2 人の生活が証明できる共同口座、同棲しているアパートの居住証明、英語力、写真、それを説明できる本人の主張…)等、石橋を 100 回たたいて渡る覚悟&ねっちりと綿密な計画という膨大な準備期間が必要とされてきます。年々厳しくなっているのも事実です。
ちなみにビザ申請は何度もできるというわけでもなさそうですから。

しかし私もビザを申請したことはないですし、これはあくまでも申請した友人たちから聞いた話ですので、個人的意見としてレポートは読んでいただければと思います。

このステキな響き「同性愛ビザ:ディファクトビザ」についてもう少し掘り下げて、また次の機会にリポートしてみたいと思います。
そして、私の参加している「シドニー・アジアン・レズビアンズ」についてもビザの話と合わせて次回リポートしてみたいと思いますので、こうご期待!

それでは、みなさん Have a nice gay life!!

では!股。

Text by SID
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    04.12.03
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